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The Pit

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ハズブロ社の 「G.I. ジョー」 に関するランダムな記事のブログです。

IDW/『G.I. ジョー:オリジンズ』 第13号~第23号 (最終号) ダイジェスト

 IDW/『G.I. ジョー:オリジンズ』 第13号~第23号 (最終号) ダイジェスト
IDW/『G.I. ジョー:オリジンズ』 第13号~第23号 (最終号) ダイジェスト_d0164702_21185713.jpg

 上の画像は第13号~第23号 (最終号) までをまとめた 『G.I. ジョー:オリジンズ』 オムニバス第2巻 (2014年9月) の表紙。
 第21号の表紙Aの再利用で、アーティストはトム・フェイスター。



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ダイジェスト


第13号 「R.I.P. コード パート1:跳べと命令あらば……」  " R.I.P. Cord Part 1 : You Say Jump. . . " (2010年3月)
IDW/『G.I. ジョー:オリジンズ』 第13号~第23号 (最終号) ダイジェスト_d0164702_10272588.jpg──アメリカ陸軍の降下兵ウォーリス・ウィームズ、通称リップ・コードは単身ジャングルの中にいた。 彼がパラシュートで木に吊るされた仲間のクルス中尉の遺体から装備を取り出していると、敵の兵士が迫ってきた。
 話はその前に遡る。 国防総省はアフリカのアガク共和国のジャングルで武装した集団が活動しているとの情報を得て、無人偵察機を送り込むことを決めた。 数時間後、無人機を積んだ輸送機に支援として5人の兵士が乗りこんで出動する。 無人機は赤外線でジャングルの中に潜む兵士たちを発見したが、地対空ロケット・ランチャーで撃墜されてしまった。
 クルス中尉は国防総省に無人機が撃墜されたことを伝え、チームは無人機のデータ・カードの回収を命じられてジャングルに降下する。 しかし最後にリップ・コードが降下した時、輸送機はミサイルで撃墜されてしまい、先に降下した仲間も全員死んでしまった──。
ゲスト・キャラクター
   ウォーリス・ウィームズ/リップ・コード (アメリカ陸軍の降下兵)
   クルス中尉 (アメリカ陸軍の降下兵。 リップ・コードと同じチーム。 降下時に死亡)
特記事項
・ リップ・コードがオリジンズに初登場。 彼が G.I. ジョーに加わる経緯が描かれます。
・ リップ・コードは実写映画に合わせて黒人という設定で、空軍に転属してパイロットになりたがっている点も同じです。
・ サブタイトルは R.I.P. (rest in peace の略で 「安らかに眠れ」 の意) とリップ・コードの名をかけたもの。
・ You Say Jump... は、「跳べ」 と命じられれば 「どれくらい高く?」 と答える (つまり口答えをしない) という言い回しから。
・ アフリカの架空の国家アガク共和国はこれが初登場です。
・ リップ・コードは初めからそのあだ名で呼ばれていますが、それをあまり気に入っておらず、空軍に転属されたらエースとかスリップストリームとかバレル・ロールみたいな飛行士らしい格好いいコールサインが欲しいと言っています。
・ 国防総省にいたスカーレットはリップ・コードから一方通行の救援メッセージが送られてきたことを確認しました。
・ リップ・コードは敵兵の捕虜にされてしまいました。 無人機の画像が記録されたデータ・カードや通信装置などが収められたブラックボックスも敵の手にありました。
・ 尋問を受けたリップ・コードは、名前と階級、認識番号だけを繰り返します。
・ 拷問で死んだと思われた彼は、チームの4人の仲間の遺体と共にブルドーザーで埋められてしまいました。
・ ホークとスカーレットはブラックホーク・ヘリでアガク共和国に向かいました。




第14号 「R.I.P. コード パートⅡ:これを生き抜け……」  " R.I.P. Cord Part II : Survive This..." (2010年4月)
IDW/『G.I. ジョー:オリジンズ』 第13号~第23号 (最終号) ダイジェスト_d0164702_10383614.jpg──仲間の遺体と共に埋められたリップ・コードは実はまだ生きており、雨が降ると自力で土の中から脱出し、ジャングルに逃れた。
 彼を捕えた兵士たちは、キャンプ地の温室で薬品で致死性を持たされた枝豆を栽培していた。
 兵士たちのキャンプ地を偵察したリップ・コードは、彼らがヤギを使って生物兵器の威力を試し、ヤギがたちまち死んでしまうのを目撃する──。
ゲスト・キャラクター
   クリン (アガク共和国のジャングルで生物兵器となる枝豆を栽培している集団の科学者)
特記事項
・ リップ・コードは栽培用のスプリンクラーにタンクローリーのホースをつなげ、散水すれば豆類にガソリンがかかるようにしました。
・ 見張りの一人がホースに気付いたものの、兵士の煙草のライターで引火してキャンプ全体が火災となります。
・ リップ・コードは奪った銃で銃撃戦を行ないますが、数では適わずジャングルに逃げ込みました。
・ 再びキャンプ地に戻ってみると、ホーク率いる多数のアメリカ兵が敵を包囲しているところでした。
・ ホークはリップ・コードにエリート・チームへの参加をオファーします。 ただしそれには彼が死んだことにされる必要がありました。
・ リップ・コードが同意すると、ホークは彼の愛称が正式にコードネームとなったと告げます。 そして撤収するへリの操縦を彼に任せました。






第15号 (2010年5月)
IDW/『G.I. ジョー:オリジンズ』 第13号~第23号 (最終号) ダイジェスト_d0164702_10471308.jpg──南氷洋でアザラシの密猟者たちを狙撃して彼らの活動を妨害したスノー・ジョブは、エースの飛行機に乗って南極を後にする。
 ピットに帰還する途上、スカーレットとダイアル・トーンから連絡が入り、ベネズエラ大統領の暗殺計画が発覚し、現地に最も近い G.I. ジョーがスノー・ジョブであることが知らされる。
 ベネズエラの首都カラカスに到着したスノー・ジョブは大統領の護衛につく。 パレードに向かうために出発した大統領はスナイパーを含む兵士たちに襲撃される──。
ゲスト・キャラクター
   ベネズエラ大統領 (OPEC/石油輸出国機構の総裁でもある)
   ブラック・ブラッド (「黒い血」 の意。 ベネズエラ大統領を暗殺するためにスナイパーを送り込んだ組織)
特記事項
・ オリジンズにスノー・ジョブが初登場。
・ ボーナス・ページとしてスノー・ジョブのピンナップが掲載。 スノー・ジョブはスキーを履いてピンが抜かれた手榴弾に手を伸ばし、エスキモーのクイン(※マーベル版 ARAH ! 第2号に登場したキャラクター) が彼を攻撃し、クインの後ろには北極グマがいて、「ブリザード、氷河、北極グマ! スノー・ジョブはエスキモーの傭兵クインと戦って生き残れるだろうか。 どちらも雪の戦士なのだ」 というキャプションが書かれています。
・ 大統領は自分のオフィスに滑稽な姿のアメリカ人がいると言って保安主任を怒鳴りつけます。 その時スノー・ジョブは全身白の雪山装備のままでした。
・ 最後はスノー・ジョブと敵スナイパーの対決となり、西部劇風の撃ち合いでスノー・ジョブが勝ちました。 そして負傷したスナイパーを問い詰めると、彼はブラック・ブラッドに雇われたことを自白しました。 スノー・ジョブはアメリカ軍とベネズエラ警察のどちらに引き渡されたいかを選ばせ、スナイパーはアメリカ軍と答えました。






第16号 (2010年6月)
IDW/『G.I. ジョー:オリジンズ』 第13号~第23号 (最終号) ダイジェスト_d0164702_10542317.jpg──ロンドンに向かう旅客機の真上に現れた攻撃ヘリから、特殊装備の傭兵が旅客機に乗り移って襲撃する。 旅客機に乗っていたのはアジアの某国の大統領で、彼はロンドンの会議の場で自国の貿易障壁の撤廃を公表しようとしていたのたが、その障壁で利権を得ていたコブラは傭兵=ザルタンを使って彼を脅す。 ロンドンに到着した大統領は、報道陣の前でこれまでの方針を維持することを公表した。
 1週間後、コート・ダジュールでバロネスから報酬を受け取ったザルタンは、現地のカジノで会った男とトラブルを起こして警察から追われた後、バロネスから新しい仕事を依頼される。 それは M.A.R.S. が開発した M.A.S.S. デバイスという転送装置を使って、ニコ・マンディロビリスというクリミアの武器商人を暗殺するというものだった──。
ゲスト・キャラクター
   ザルタン/エミール
   (コブラに雇われた暗殺者。 M.A.S.S. デバイスの転送により消失して死亡。 本名は次号で判明)
   ルマナパル大統領 (アジアの某国の大統領。 これまでにコブラと何らかの取引をしてきた模様)
   警官 (少年時代のザルタンがスリを働いた際に捕まえた警官。 第18号にも登場)
   ラファエル (コート・ダジュールのカジノにいた年配の紳士。 ザルタンに背中を撃たれて死亡)
   ニコ・マンディロビリス (クリミアの武器密輸業者。 メイン・シリーズ 『G.I. ジョー』 から再登場)
   ローリー (デストロのアシスタント)
特記事項
・ ザルタン、ワイルド・ウィーゼル、ジェームズ・マッカラン (デストロ) がオリジンズに初登場。
・ メイン・シリーズ 『G.I. ジョー』 (シーズン1) 第1号へとつながる内容で、武器商人ニコ・マンデイロビリス、デストロの助手ローリー、転送装置 M.A.S.S. デバイスは 『G.I. ジョー』 には登場済みです。
・ ザルタンがバロネスから受け取った報酬は、100万ユーロ相当の現金とブロンドの美女でした。
・ その美女を連れてカジノに繰り出したザルタンは、美女にちょっかいを出してきたラファエルという男を投げ飛ばし、美女は彼の粗暴さに呆れて逃げていきました。
・ 部屋に戻ったザルタンは少年時代の夢を見ます。 旅行者を相手にスリを働いていた彼は警官に捕まり、警棒を押しあてられて名前を聞かれた時、壁に貼られていた 「ザルタン」 という名の神秘的なマジシャンのポスターを見て自分の名はザルタンだと答え、警官の喉を突いて逃げました。
・ ベッドの上で目覚めると、カジノにいたラファエルが銃を持った2人の男を連れて仕返しに現れました。 ザルタンは銃を奪って全員射殺します。
・ 警察に追われたザルタンはバロネスの自家用機に逃げ込み、バロネスは騒ぎを起こした彼に怒り、危険な任務に就かせることにしました。
・ ニコ・マンディロビリスの暗殺任務を引き受けたザルタンは、M.A.S.S. デバイスでニコのクリミアの別荘に転送され、2人のボディーガードを殺してニコに迫りますが、突然彼の体は崩壊を始め、塵のようになってしまいました。
・ ニコが逃げた後にそこに現れたスネーク・アイズは、襲撃現場から銃と灰のようなものを回収しました (『G.I. ジョー』 第1号参照)。




第17号 (2010年7月)
IDW/『G.I. ジョー:オリジンズ』 第13号~第23号 (最終号) ダイジェスト_d0164702_11215499.jpg──心臓病を患う息子の母親ヘレネ・コティヤールは、医師から治療ができないことを伝えられていた。  その後、タガックと名乗る人物が彼女に近付き、クローン技術により本人から再生した心臓を使えば息子の命を救えると持ちかけてきた。 それは違法であり高額でもあったが、彼女はそれに同意する。
 その後、彼女の息子の手術が行われるが、実はコブラの一員であるタガックには別の狙いがあった。 WHO のアフリカ事務局長である彼女に、実地試験で不合格となったズプレスティンという抗ウィルス剤の禁止を解除させようとしていたのだ。 彼女は違法であることを理由に断ろうとするが、タガックは息子を救った手術もまた違法であり、そしてクローニングを扱えるほどの力と金を持つ組織には逆らわないほうが賢明だと告げる。
 一方、M.A.S.S. デバイスの転送による事故でザルタンを失ったコブラ・コマンダーは、タガックにザルタンの DNA を解析させてクローンとして再生させるよう命じる──。
ゲスト・キャラクター
   タガック博士 (コブラの科学者。 次号でザルタンが殺害)
   スティーブン (タガック博士の運転手)
   ヘレネ (エレネ)・コティヤール (WHO/世界保健機構のアフリカ事務局長)
   ランドルフ・” ランディー ”・コティヤール (ヘレネの息子。 心臓病を患っている)
   ザルタン (クローン)
   (オリジナルの DNA から再生された際にカメレオンのような変身能力を獲得。 次号にも登場)
特記事項
・ コブラ・コマンダー、マインドベンダー博士がオリジンズに初登場。
・ メイン・シリーズ 『G.I. ジョー』 (シーズン1) 第6号~第10号の間に起こった出来事です。
・ オリジナルのザルタンのファーストネームがエミールであったことが判明。
・ コブラはカルパティア山脈の地下 2,000 フィートに研究施設を築いており、マインドベンダーはそこで働いています。
・ タガック博士のクローニング技術は、まず最初に、何の人格も持たない何者でもない状態の素体を、男女別にいくつかの年齢ごとに造り置きしておき、そこに対象となる人物の DNA から造られた血清のようなものを注入してクローンを造り出すというものです。
・ クローンには、皮膚に死斑ができるのを防いだり全体の維持のために生体磁気パッドを移植する必要があります。 次号では発信機が仕掛けられていることも判明。
・ ザルタンのクローンは成人男性の姿で再生されましたが、そのままでは歩くことも会話や読み書きもできないため、はじめは知育玩具や絵本を使って教育することから始めます。 間もなくクローンは数百冊の本やテレビ、インターネットなどで学習できるようになりました。
・ クローンのザルタンは再生時にカメレオンのような変身能力を獲得しており、そのことに気付いたタガック博士は、とりあえずコブラにはそれを隠しておくことにします。
・ 外の世界に出たくなったザルタンは、変身能力を使ってタガック博士の助手に化けて施設から脱走してしまいました。




第18号 (2010年8月)
IDW/『G.I. ジョー:オリジンズ』 第13号~第23号 (最終号) ダイジェスト_d0164702_11402206.jpg──タガック博士の研究所から脱走したザルタンのクローンはヨーロッパの市街地に出る。 タガック博士はクローンを連れ戻すために保安部隊を出動させるが、地下鉄に追い詰められたザルタンは追っ手の一人ブライソンを列車の前に突き飛ばして殺し、自分に仕掛けられていた発信機を死体の上に残して去る。 追っ手は死体をザルタンのものと思いこんだ。
 ザルタンはブライソンに化けて研究所に戻り、タガック博士の前に現れる──。
ゲスト・キャラクター
   ブライソン
   (タガック博士の部下。 ザルタンを追跡するが、彼に突き飛ばされて急行列車に牽かれて死亡)
特記事項
・ 逃走するザルタンは盗んだ服に着替え、別人の顔に変身しますが、それが有名なミュージシャンのものだったために周囲の人々から注目を浴びてしまいます。
・ ザルタンは自分が何者なのかを知るために研究所に戻ります。 タガック博士は、彼は元のエミール・ザルタンとそっくりだが本人ではなく空の器、クローンなのだと教えます。
・ ザルタンはタガックにコブラ・コマンダーを呼び出させ、コマンダーと直談判を始めました。
・ ザルタンはコマンダーに3つの条件を出し、コマンダーはこれに同意しました。 条件は以下の通りです。
     1.自分の身は自由であること
     2.コマンダーの組織の中から自分自身で選んだ自分の部隊を持つこと
     3.変身能力を知るのは自分自身とコマンダーのみであること
・ 交渉成立後、ザルタンはタガック博士を殺しました。 
・ 自由の身となったザルタンは、生まれ育った街に戻ります (元のザルタンの記憶を受け継いでいるのでしょう)。 そこで彼は少年時代に見た 「ザルタン」 の色褪せたポスターと、あの時の警官だった年配の男に再会しました。 ザルタンは男を殺して去ります。






第19号 (2010年9月)
IDW/『G.I. ジョー:オリジンズ』 第13号~第23号 (最終号) ダイジェスト_d0164702_11462432.jpg──C-130 輸送機から降下したスネーク・アイズは、航空機にノイズ兵器を放って攻撃するロシア風の基地に侵入する。 彼の任務はノイズ兵器のコンピューターと目標捕捉装置の破壊だった──。
ゲスト・キャラクター
   ロシア軍らしき兵士たち
   (ノイズ兵器が配備された寒冷地の基地の兵士やパイロットたち)
特記事項
・ セリフのないサイレント・イシュー。
・ 表紙Cはハズブロの25th G.I. ジョーのコミック・パック#21 (2008年) のマーベル版第21号復刻版の表紙の再利用。 アーティストはアシュレイ・ウッド。
・ ティンバーらしきオオカミが登場。 ただし第8号に登場したオオカミまたはコヨーテとは別です。
・ 表紙裏にスネーク・アイズ作という設定のハイクが掲載。
     In the darkling wood (暗き森)
     A leaf falls in silent arcs (葉は静かに弧を描いて落ち)
     Steel glints in shadow (鋼が影に煌めく)
        Arashikage no Hebime (嵐影の蛇目へびめ
・ 基地の周辺に降下したスネーク・アイズは、有刺鉄線のフェンスにからまっていたオオカミを助けてあげますが、ワイヤーを切断したため基地の警報が作動してしまいます。
・ スノーモービルに乗った兵士たちが調べてにやってくると、スネーク・アイズは雪面にカモフラージュしたパラシュートの下から飛び出して彼らを倒しました。
・ 基地に侵入したスネーク・アイズは、警備兵たちを倒し、ノイズ兵器を破壊して輸送機に救出を要請します。
・ 外に脱出したスネーク・アイズに敵のスノーモービルが迫りますが、オオカミの群れが現れて助けてくれました。
・ すると今度は敵の攻撃ヘリ・ハインド-D が現れますが、スネーク・アイズはすでに基地にいる時に燃料タンクに刀を突き立てておいたため、ヘリは燃料が尽きて墜落しました。
・ スネーク・アイズは C-130 にスカイフックで回収されて脱出。
・ 墜落したヘリのパイロットたちは、オオカミの群れに襲われてしまいました。
IDW/『G.I. ジョー:オリジンズ』 第13号~第23号 (最終号) ダイジェスト_d0164702_11462688.jpg





第20号 「番号による扇動 パート1」  " Sedition by Numbers, Part 1" (2010年10月)
IDW/『G.I. ジョー:オリジンズ』 第13号~第23号 (最終号) ダイジェスト_d0164702_12254932.jpg──バングラデシュでモンスーンによる大氾濫が起こり、被災地に IHAF (国際人道支援財団) の救助隊が到着して活動を開始する。
 実はこの組織はコブラの秘密部門なのだが、そのことを知っているのは責任者のレスター・ホルバート博士だけだった。 彼の目的は医療活動に紛れてある適性検査を行うことだった。
 ローム・テストと呼ばれるその適正検査は、40年に渡って4万人ものアジア人を殺してきた天才的な連続殺人犯が考案した理論に基づくもので、人格によって人間の価値を最低の1番から最高の8番まで分類し、コブラの指揮系統に秩序をもたらすというものだった。
 ローム・テストが導入されて以来、コブラには調和と効率が生まれ、組織は10倍に拡大して内紛と腐敗は劇的に低下していたのだ。
 テキサス州では、ルース・ウエストホルムという精神科の女医が、生活苦で絶望的になっているある男を診察し、彼にある適性検査を勧めた。 その結果を見た彼女は、ホルバート博士に連絡をとる──。
ゲスト・キャラクター
   レスター・ホルバート博士 (国際人道支援財団/IHAF を隠れ蓑とするコブラの心理学者)
   エレノア (IHAF におけるホルバート博士の助手。 コブラとは無関係)
   アルバート・ローム (故人。 大量殺人犯。 ローム・テストの理論の考案者)
   ルース・ウェストホルム博士
   (テキサス州の精神科の女医。 ホルバート博士の元同僚・元恋人。 次号で死亡)
   マイケル・” マッド ”・モンク (次号以降にも登場)
   タラ・ラリマー-モンク (モンクの妻)
   ハンナ・モンク (モンクの娘。 皮膚病を患っている)
   キキ (バーの駐車場で暴漢に襲われたところをモンクに助けられた女性) 《コブラの一味だった可能性あり》
特記事項
・ ローム・テストは、対象となる人物の世界観を想像する能力とそれを現実に形成できる能力を測定するものです。 結果は1番から8番までの番号で分類され、番号が増えるほど指揮系統の上位にふさわしく、逆に例えば3番に4番集団を指揮させると混乱と扇動が生まれてしまいます。
・ コブラの幹部は6番と7番です。
・ ホルバート博士自身は4番であるため4番までしか身辺に採用せず、5番と測定された者はヘリで連れ出して密かに処刑しています。
・ 8番はホルバート博士が実際に会ったことがある中では考案者のアルバート・ロームと自分のボス (※コブラの工作員クレーク) のみですが、ヒトラー、シーザー、ナポレオンも8番に該当し、8番には世界を変える可能性があり、総じてその自覚もあるとされます。
・ 1番は希少で、ホルバート博士も本物の1番に会ったことはありません。 1番には夢と想像力が欠如しており、コントロールが不可能ですが、常に真実を見ることができるとされています。
・ ローム・テストの基礎となる理論を考案したアルバート・ロームは、70歳の時に自分のエゴを満たすために40年間の全ての殺人を自白した殺人鬼であり、若手時代に心理学者として彼に会ったホルバート博士は、すぐに彼が自分より優れていることに気付き、5年をかけて彼にインタビューして研究・分析し、彼の理論の信奉者となったのでした。
・ ホルバート博士はロームの理論を明確化するために番号による仕組みを付け加えてローム・テストを確立しました。
・ 精神科の女医ルース・ウエストホルムの患者のマイケル・モンクは、精神異常と診断されることを望んでおり、自殺して妻子に保険金を残そうとしています。
・ モンクは5歳の時に父ボブを、9歳の時に母ケイトを失い、11歳の時に祖母が死ぬと里親制度の対象となり、14歳の時に里親に引き取られました。 しかし間もなく養父が失業してアル中となり、モンクが地元の大学に進学した後に養母は細菌性髄膜炎で死亡しました。 モンクは養母が気に入っていたガールフレンド (タラ) と結婚しましたが性格が合わず、家庭生活から逃げるように陸軍に入隊しました。 そこでモンクは “ マッド・モンク ” と呼ばれるようになるほど活躍しましたが、ハンヴィーを爆破した2人のテロリストを処刑した件で不名誉除隊となりました。 現在は携帯電話の販売の仕事をしていますが、妻と皮膚結核の娘がいるため生活苦でトレーラー暮らしです。
・ さびれたホテルで生命保険証書を前にピストル自殺をしようとしたところにコブラの兵士とホルバート博士が突入してきて、家族に一流の医療を受けさせるために自殺以外の選択があると告げました。




第21号 (2010年11月)
IDW/『G.I. ジョー:オリジンズ』 第13号~第23号 (最終号) ダイジェスト_d0164702_19233441.jpg──マイケル・モンクはコブラのフロント企業である民間軍事会社コロッサス・ワールド・セキュリティー社の訓練を受けることになり、2週目を迎えるまでの間に娘は治療を受けられるようになった。
 モンクのローム・テストの結果をホルバート博士に伝えた精神科の女医ルースは、ホルバートとはかつて恋人同士でもあった。 彼女は通りで強盗に刺されて死亡してしまうが、その強盗はわずか40ドルでホルバートに雇われた男だった。 ホルバートはモンクのテスト結果を知る彼女の口を封じたのだ。 かつての恋人を殺したホルバートは涙を流す。
 その後ホルバートは自分のボス (※コブラの工作員クレーク) から、保全任務のために7番に該当する人材を要求された。
 モンクは上官のラストン曹長の嫌がらせに耐えながらコロッサス・セキュリティー社のテストに合格し、3ヶ月後にイラクの任務に送られる──。
ゲスト・キャラクター
   エリック・ラストン曹長
   (コロッサス・セキュリティーでモンクの訓練を担当。 次号以降にも登場)
   ソラノ (コロッサス・セキュリティーの訓練生。 次号にも登場)
   モハンマド・ジャーシム・アリー
   (イラクの交渉人。 ラストン曹長に至近距離で胸を撃たれて死亡)
   フランクス (コロッサス・セキュリティーのスーパーバイザー)
特記事項
・ ラストン曹長は訓練中にわざとモンクの感情を逆なでします。 モンクは悪い父親で病気の娘は馬鹿だなどと侮辱したり、娘が死んでしまい妻は離婚したがっているという嘘の手紙を見せたり、射撃訓練の標的に花で囲われた娘の写真を貼ったりします。
・ イラクの任務では、モンクたちのチームはイラクの交渉人のアリーを乗せたコンボイの護衛にあたりますが、ハンヴィーが破壊され、モンクがアリーを守って戦おうとすると、ラストンはアリーを射殺してしまいました。モンクはラストンに跳びかかりますが、反撃されて鼻や腕の骨を折られて半殺しにされ、病院送りにされてしまいました。
・ 退院後、仕事に復帰したモンクは取り憑かれたように任務をこなすようになり、ティクリート、アフガニスタン、南ナイジェリア、メキシコ、イエメン、ソマリアなどの激戦地で獅子奮迅の活躍を見せ、再び ” マッド・モンク ” と呼ばれるようになり、退院から半年を経て昇進しました。
・ ボスから7番に関する連絡を急かされたホルバートは、モンクの番号を7番と偽って報告しました。




第22号 (2010年12月)
IDW/『G.I. ジョー:オリジンズ』 第13号~第23号 (最終号) ダイジェスト_d0164702_19304831.jpg──モンクはチームを率いてソマリアの難民キャンプの監視にあたっていた時、キャンプを襲撃してきた現地人を徹底的に叩きつぶした。
 その後モンクはホルバート博士からローム・システムについての説明を受け、自分が7番に該当することを教わる。 そして大きな昇進が伴う新たな任務のことを聞かされた。
 モンクは9ヶ月振りに家族の元へ帰るが、妻から離婚話を切り出され、別な男ができたと告げられる。 モンクは絶望して家を出るが、実はこれはホルバートが仕組んでことで、彼はモンクを元の人生から完全に切り離そうとしたのだった。
 仕事に戻ったモンクは、彼に大怪我を負わせた訓練時代の上官ラストン曹長をチームに入れることになり、アメリカ空軍の輸送機を襲撃して特殊ミサイルを強奪する任務に就く──。
ゲスト・キャラクター
   ポールハウス (コロッサス・セキュリティーのメンバー。 次号にも登場)
   ハリク (コロッサス・セキュリティーのメンバー)
   ベーカー (コロッサス・セキュリティーの通信兵。 次号にも登場)
特記事項
・ コブラは人道団体に見せかけて孤児院も運営しており、表向きは立派な活動をしながら、実はコブラに忠誠を誓う人材を育成しています。
・ モンクたちのチームは戦闘機に支援されながらアメリカ空軍の輸送機を襲い、空中で乗り移ります。
・ 輸送機の中には G.I. ジョーのデュークたち5人が待ち構えていました。




第23号 (最終号) (2011年1月)
IDW/『G.I. ジョー:オリジンズ』 第13号~第23号 (最終号) ダイジェスト_d0164702_19433254.jpg──特殊ミサイルが入ったケースを奪うために、大西洋の上空を飛ぶアメリカ空軍の輸送機に乗りこんだモンクのチームは、機内で待ち構えていた G.I. ジョー・チームと戦う。 モンクたちは機内でミサイルを発射し、そのため輸送機の胴部に穴が開き、ラストン曹長は仲間を裏切って G.I. ジョーに投降する。 しかし機内にいた者は次々と機体に開いた穴から吸い出されてしまい、モンクとラストンも外へ放り出される。
 モンクはパラシュートを装備していたラストンを捕まえて一緒に落ち、海上に着水した後にナイフでラストンを殺す。
 その後、モンクはアフリカにあるコブラの基地に送られてコブラの工作員クレークと会う。 クレークがホルバートに7番の人材を要求した任務は裏切り者の暗殺だった。
 モンクは暗殺リストにあった人物を次々と消していき、残るは一人だけとなる。 それはレスター・ホルバート博士だった──。
ゲスト・キャラクター
   クレーク (コブラの工作員)
   ホレース・メネンヴィル (モンクが暗殺)    マーカス・トリル (モンクが暗殺)
   フィリッポ・ピグナッティ (モンクが暗殺)    パウル・ブロック (モンクが暗殺)
   ロバート・フィンチ (モンクが暗殺)
   エミリー・ザックマン-ブラウン (モンクが暗殺)
   ステュアート・リンド (モンクが暗殺)
特記事項
・ コブラの工作員クレークがオリジンズに初登場。 後の 「コブラ・シビル・ウォー」 シリーズを経て新たなコブラ・コマンダーとなる人物です。
・ モンクがクレークと会ったアフリカのコブラの基地は、地上部分は小さな小屋に偽装し、地下は古い鉱山を利用したもので至る所で建設作業が進められていました。
・ クレークはアメリカ空軍輸送機の襲撃の際に G.I. ジョーが現れたことなどから、内部に裏切り者がいて情報が漏れていると考えており、該当者をモンクに暗殺させます。
・ ホルバート博士は、被災地での人道的活動が評価されてフランス心理学会から賞を受賞しました。
・ ホルバートを殺しにやって来たモンクは、妻子が収容所のようなところに入れられていることに気付き、居場所を教えろと言ってホルバートを殴ります。
・ するとホルバートは、ローム・テストによるモンクの番号が本当は7番ではなく1番だったことを明かしました。
・ 1番はランク的には最低でリーダーには絶望的に不適ながら、戦士としては最高で実は最も希少な存在であり、ホルバートは1番であるモンクの存在をコブラから隠すために彼の番号を変えたのでした。
・ ホルバートは、組織の存在を隠しているコブラの詐術と嘘を見抜くことができてクレークを倒せるのはモンクだけだと言い残し、バルコニーから身を投げて死にました。
・ ローム・テストの考案者のアルバート・ロームが死んだのはホルバートが毒殺したからでした。
・ ホルバートの死を見届けたモンクはクレークの元へ戻ります。

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 以上、『G.I. ジョー:オリジンズ』 のダイジェストでした。

 なお、IDW 版コミックにおけるコブラ・コマンダーの設定には3つの系統が存在することを書いておきたいと思います。


➀ 『G.I. ジョー』 や 『コブラ』 などの作品に登場する、IDW 独自の設定のコマンダー。
・ 過去の様々な時代に存在し、18世紀初頭のカリブ海には海賊風の姿のコマンダーや、日本の江戸時代末期には女性でニンジャのようなコマンダーがいた。
・ G.I. ジョー・チーム発足時のコブラ・コマンダーはスーツ姿に銀の仮面で、後にコブラに潜入していたチャックルズに射殺されたが、その正体は実業界の大物だった (氏名などは作中では明かされず)。
・ 上記のコマンダーの死後、コブラの意思決定機関 「コブラ・ハイ・カウンシル」 が後継者を選定。 数名の候補者の中から G.I. ジョーに対してより多くの被害を与えた者が選ばれることになり、その結果クレークという非情かつ有能な工作員が新たなコマンダーに就任。


② マーベル版 『ARAH !』 の続編である IDW 版 『ARAH !』 のコマンダー。
・ マーベル版同様、元中古車セールスマンで、ビリーの父。


③ 実写映画のコミカライズに登場するコマンダー。
・ 実写映画同様、レックス・ルイス。 バロネスの兄。

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by joefig | 2016-10-10 15:19 | コミック

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