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ハズブロ社の 「G.I. ジョー」 に関するランダムな記事のブログです。

雑談/ミクロイドS

 G.I. ジョーとは関係ないのですが、今回は手塚治虫の漫画/アニメ 『ミクロイドS』 についてです。
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 上の画像は秋田書店の少年チャンピオンコミックス 『ミクロイドS』 第1巻 (1973年) の表紙。




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『ミクロイドS』


 『ミクロイドS』 は、『少年チャンピオン』 1973年 (昭和48年) 第14号 (3月26日)~第37号 (9月3日) に連載され、アニメ化もされた作品です。

 初掲載時のタイトルは 『ミクロイドZ』 でした。
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 当初からアニメ化が前提だったこの企画は、東映動画から 「巨大化するヒーローではなく、超小型化するヒーローを」 ということで手塚治虫に持ち込まれ、手塚治虫が原案や設定を作りました。

 講談社版手塚治虫全集第185 巻 『ミクロイドS』 第3巻のあとがきによると、打ち合わせの段階で手塚治虫が 『ミクロイド』 というタイトルを提案したところ、東映の意向で 「Z」 が付け加えられ、その後、同じく東映のロボットアニメ 『マジンガーZ』 と競合してしまうため 『ミクロイドS』 に変更されたことが記載されています。
 ただしウィキペディアの 「ミクロイドS」 の記事では、アニメのスポンサーが時計のセイコーに決まったため、ライバル会社のシチズンを連想させるZが避けられたと説明されています。


ストーリー (コミック版):
 異常進化し知能まで身につけた蟻・ギドロンが、改造昆虫を率いて人類に牙を向く。発達しすぎた科学が引き起こした歪みがギドロンを生んだのだ。 ギドロンによって改造されたが脱走に成功したミクロ化人間 (ミクロイド) の3人と、ギドロンの存在を知った少年・美土路学 (みどろ まなぶ) は人類の未来を守るためギドロンの脅威に立ち向かう。
(日本語版ウィキペディア:「ミクロイドS」 の項より)


 『ミクロイドS』 の連載終了から2ヶ月ほど後に、手塚治虫は 『ブラックジャック』 の連載を開始しています。



 『ミクロイドS』 のアニメ版は、漫画連載と同時期の 1973年4月7日~10月6日に、NET (現:テレビ朝日) で放映されました (全26話)。
 『デビルマン』 の後番組、『キューティーハニー』 の前番組にあたります。

 下の画像は左からアゲハ、マメゾウ、ヤンマ。
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 当時のNET の土曜夜の番組は19:30 『仮面ライダーV3』~20:00 『人造人間キカイダー01』~20:30 『ミクロイドS』 という構成で、裏番組にはドリフターズの 『8時だョ! 全員集合』 が放映されていました。


 商品化には恵まれなかったようで、当時のミクロイドSの玩具をネットで探したところ、ポピー (バンダイ系列) 製のソフビ人形ぐらいしか見つかりませんでした。


 なお、手塚治虫と 「ミクロ」 といえば、アメリカ映画 『ミクロの決死圏』 "Fantastic Voyage " (1966年) が 『鉄腕アトム』 の1エピソード (ベースは手塚治虫の別の漫画) を原案としていることが知られています。

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ミクロマンとの関連


 このミクロイドSに関して、joefig には前から気になっていることがあります。

 それは約1年ほど後に発売が開始されたタカラの 「ミクロマン」 との関係です。

 小型のヒューマノイドで、名称には 「ミクロ」 が含まれている、という設定のキモの部分が共通している両者の登場時期はほぼ同じ頃です。

 ですが、ウィキペディアの両者の記事には特に類似性の指摘はなく、ほかにネット上で調べてみたところ、ファンの間でも、たまたまコンセプトが似ていた程度にしか認識されていないようです。

 70年代はオイルショックの影響で省エネ・省資源が叫ばれていた時代だったので、たまたま同じ時期に小型のキャラクターやトイが誕生していたとしてもそう不思議ではないのかもしれません。



 しかし、ミクロマンの前身である 「変身サイボーグ」 系のファンサイトを調べていくうちに、次のような事実があることを知りました。



① 「変身サイボーグ」 のカタログ

 下の画像は 「変身サイボーグ1号」 第2期と分類されるタイプのカタログの表紙。
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 「少年サイボーグ」 以降のいくつかのカタログに、手塚治虫が寄稿した文章が掲載されています (右下のピンクの囲み)。

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      「手塚治虫
       サイボーグとは機械人間といういみです。 マンガや物語では超能力を使うスーパーマン
      のようにかかれていますが、本当は機械と人間があわさったもので、例えば本物のように
      動く手足をつけるとかコンピューターをつけるとかです。 いまに頭だけ人間で体は全部
      機械にしても生きていられるようになるでしょう。 タカラのサイボーグシリーズを未来派の
      君たちに推薦します。」

 上の画像の左側にある少年サイボーグの変身セットの中には 「サイクロイドZ」 というのが掲載されています。
 このほか変身サイボーグ1号の変身セットには 「アポロイドZ」 というものもありました。
 さすがに単なる偶然なんでしょうけど、『ミクロイドZ』 とよく似た名前ですね。



② 「変身サイボーグ情報局」

 『少年チャンピオン』 に掲載された、「変身サイボーグ」 の宣伝を兼ねた1ページの白黒記事。
 1973年 (昭和48年) 第18号 (4月23日号)~1975年 (昭和50年) (号数不明) におよそ月一で掲載。 全34回。

 1973年は 『ミクロイドZ (S) 』 と重なる掲載時期です。

 最終回の No.34 では、次号から 「ミクロマン情報局」 になるという予告と、『鋼鉄ジーグ』 のトイの宣伝も記載されていたようです。
 『鋼鉄ジーグ』 は、製作会社 (東映動画) や放送規格の点から言えば 『ミクロイドS』 の後続企画でした。



 以上のような事実に接すると、ミクロイドSとミクロマンは本当に無関係だったのだろうか? という疑問がわいてきます。
 ミクロイドSとミクロマンにみられる類似性は、偶然というよりは、やっぱり何らかの接点があったんじゃないかと思わずにはいられません。



 ただ、「ミクロイドS」 と 「ミクロマン」 は作品のテーマ的には真逆といえるものがあり、前者は人類の科学文明に対する警鐘、後者は未来的なイメージのスタイリッシュなデザインのトイでした。

 このあたりは、似たような素材を扱っても、手塚治虫の作家性と玩具会社であるタカラとの差異が強く出た部分なのかもしれません。


 ミクロイドSは商品化に恵まれず、ミクロマンはその後も長く続いたことを考えると、やはり後者の路線にこそトイとしての魅力が備わっていたことになると思います。


 東映動画──手塚治虫──タカラが組むという可能性もどこかの段階でありえたのかもしれませんが、いずれにせよ、タカラが独自路線でミクロマンを展開したことは結果的に正解だったと言えるでしょう。

 もっとも、東映動画──ダイナミックプロ──タカラが組んだ 『鋼鉄ジーグ』 のほうはトイが大ヒットして、その後もしばらくマグネロボシリーズが続いているので一概には結論付けられない部分もありますが……。

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 以上、ミクロイドSについてでした。

 実際にどれだけ影響があったかは謎ですが、設定や名称に類似性があるにも関わらず、「たまたま似ていた企画」 と認識されるにとどまっている最大の理由は、「ミクロイドS」 と 「ミクロマン」 のそれぞれの世界観に魅力と完成度が備わっていて、どちらもファンに愛されているということに他ならないのでしょう。

 さて、次回はARAH 関連の記事にしたいと思います。
 それでは!

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by joefig | 2014-07-18 23:27 | 雑談 | Trackback | Comments(0)
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