資料/ニック・フューリー
下の画像はニック・フューリーとシークレット・ウォーリアーズ。

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サージェント・フューリー
ニコラス・ジョセフ・ “ニック”・フューリーはジャック・カービーとスタン・リーによって生み出されたキャラクターです。
下にあるのが初出のコミック。
マーベル・コミックス 『サージェント・フューリー&ヒズ・ハウリング・コマンドーズ』 “Sgt. Fury and his Howling Commandos” 第1号 (1963年5月)

第二次大戦モノという内容の 『サージェント・フューリー&ヒズ・ハウリング・コマンドーズ』 は、そのタイトルからして、たぶんDCの 「イージー・カンパニーのサージェント・ロック」 に対抗して生まれたコミックでしょう。
第二次大戦下のヨーロッパ戦線で、フューリー軍曹は 「ハウリング・コマンドーズ」 と呼ばれるならず者部隊を率いて数々の特殊任務に従事しました。
第13号 (1964年12月) ではキャプテン・アメリカやバッキーと共に戦っています。
この作品からは、キャプテン・サヴェッジ&ヒズ・レザーネック・レイダース、コンバット・ケリー&デッドリー・ダズンといったキャラクター&部隊も派生しました。
『サージェント・フューリー&ヒズ・ハウリング・コマンドーズ』 は計167号 (1981年12月) まで続きました。
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S.I.E.L.D. 司令官ニック・フューリー
『ファンタスティック・フォー』 第21号 (1963年12月) には大戦後のフューリーが登場。 現代 (当時) に活躍する CIA のエージェントとなっていました。
さらに 『ストレンジ・テールズ』 "Strange Tales" 第135号 (1965年8月)に登場した際には、新たに組織された対テロ組織 S.H.I.E.L.D. (シールド) の司令官となります。
1968年には、彼が主役としては2度目のシリーズが開始されます。
マーベル・コミックス 『ニック・フューリー:エージェント・オブ S.H.I.E.L.D.』 "Nick Fury: Agent of S.H.I.E.L.D." 第1号 (1968年6月)
カバー、ストーリー、作画はジム・ステランコ。

彼が第二次大戦から活躍し続けている点については、インフィニティー・フォーミュラという特殊な血清により老化を抑えていると説明されています。
初登場時には軍曹だった階級は、大佐になりました。
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キャプテン・アクション
1960年代、サージェント・フューリーはアイデアル・トイズ社から発売されていた12インチ・アクション・フィギュア 「キャプテン・アクション」 のシリーズの中でフィギュア化されたことがあります。

ハズブロの 「G.I.ジョー」 の成功を受けてこの市場への進出を狙ったアイデアル・トイズ社に対し、まさにそのG.I.ジョーの考案者であったスタン・ウェストンが 「キャプテン・マジック」 という企画を持ち込みました。
多数のヒーローに変身できるフィギュアというこの企画は 「キャプテン・アクション」 と名を変えて1966年に発売されました。
キャプテン・アクション (1966年)/キャプテン・アクション (アイデアル・トイズ)
渋いというより、ちょっと冴えない感じの風貌に思えてしまいますが、モデルは俳優のロバート・ミッチャムとされているようです。
※ロバート・ミッチャムは 『G・I・ジョウ』 の主演でもあります。

キャプテン・アクションの変身用衣装はDC コミックスやキング・フィーチャーズ・コミックス、マーベル・コミックス、ラジオドラマ→TV番組系のヒーローなど幅広いキャラクターを扱っており、おそらくは各社のライセンスを扱う事業を行っていたスタン・ウェストンが絡んでいたからこそ可能だったのではないかと思われます。
ラインナップは以下の通り。
スーパーマン バットマン アクアマン
スハイダーマン キャプテン・アメリカ サージェント・フューリー
ファントム フラッシュ・ゴードン
ローン・レンジャー トント グリーン・ホーネット
バック・ロジャース スティーブ・キャニオン

各キャラクターへの “変身” は、コスチュームの着せ替えと、フェイスマスク状のパーツを上から被せるというものでした。
サージェント・フューリー (1966年)/キャプテン・アクション (アイデアル・トイズ)

この 「キャプテン・アクション」 は、その後1967年に発売されたアクション・ボーイ (黒豹のケム付属。 変身セットはスーパーボーイ、アクアラッド、ロビン) やスーパー・クイーン (変身セットはワンダーウーマン、スーパーガール、メラ、バットガール)、悪役の Dr. イーヴルといった商品展開も含めて、日本のタカラの 「ニューGI ジョー」 の 「正義の味方」 や 「変身サイボーグ」 に大きな影響を与えたものと考えられます。
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『G.I.ジョー:リアル・アメリカン・ヒーロー』 や 『トランスフォーマー』 との関わり
3.75インチの 『G.I.ジョー:ARAH』 のベースには、元々はラリー・ハマが温めていた、ニック・フューリーの息子 (ニック・フューリー・ジュニア) の部隊が活躍する 「フューリー・フォース」 という企画がありました。
フューリー・フォースについては当ブログのこちらの記事を参照。
ニック・フューリーは、マーベル版 『トランスフォーマー』 の第3号 (1984年10月) に、相棒のダム・ダム・デューガンと共にカメオ出演しています。
※この号では他にデイリー・ビューグル社の編集長ジョー・ロバートソンがカメオ出演したり、ピーター・パーカー=スパイダー・マンがトランスフォーマーたちに混じって活躍しています。

ダム・ダム・デューガン 「オレゴンで何が起きているか調べるべきだぞ、ニコラス」
ニック・フューリー 「ダム・ダム、もしもデカくて緑色で火を吐くトカゲがまた暴れてるって話だったら、おれは遠慮しとくぜ!」
※ニック・フューリーと “ダム・ダム”・デューガンは、かつてマーベル・コミック版 『ゴジラ』 においてゴジラ・スクワッドを率いて活躍したことがあったのです。
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TV ムービー版 (1998年)
1998年のアメリカのTVムービー版では 『ナイトライダー』 のデビッド・ハッセルホフがニック・フューリーを演じました。
『ニック・フューリー:エージェント・オブ・シールド』 "Nick Fury: Agent of Shield" (1998年)

左から
コンテッサ・ヴァレンティナ・“ヴァル” ・デ・アレグロ・フォンテーヌ (ライザ・リナ)
アレクサンダー・グッドウィン・ピアース (ニール・ロバーツ)
ニック・フューリー大佐 (デビッド・ハッセルホフ)
ティモシー・デューガン (ゲイリー・チョーク)
ケイト・ネヴィル (トレーシー・ウォーターハウス)

マーベル・シネマティック・ユニバース
『アイアンマン』 (2008年) 以降、マーベル・スタジオズが製作する一連の実写映画及びTVシリーズ 『マーベルズ・エージェンツ・オブ S.H.I.E.L.D.』 (2013年~) ではサミュエル・L・ジャクソンがニック・フューリーを演じています。

この一連の作品群の中で、ニック・フューリーのフィギュアは数社から何点も発売されることになりますが、『アイアンマン2』(2010年) 公開時にハズブロが発売したニック・フューリーのフィギュアは、ボディーをG.I.ジョー・フィギュアから流用したものでした。
アイアンマン2/フューリー・オブ・コンバット (2010年)
ハズブロ製3.75インチ・フィギュア。 北米トイザらス限定。
アイアンマン・マーク6、グラウンド・アサルト・ドローン×2、ニック・フューリーの4体セット。

このニック・フューリーのフィギュアについては当ブログのレビュー記事 (こちらです) を参照。
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以上、G.I.ジョーと関係があるようなないような、ニック・フューリーについての記事でした。
年内の更新はこれで最後になります。 それでは皆さん、よいお年を!