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The Pit

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ハズブロ社の 「G.I. ジョー」 に関するランダムな記事のブログです。

設定探訪/ロッキー

今回は、幻に終わったG.I.ジョー・メンバー、コードネーム:ロッキーについて記事にしたいと思います。
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上のイラストはロッキーの台紙とファイルカード用に描かれたパッケージ・アートです。
プギル・スティック (銃剣訓練用のスティック) の両端がボクシング用グローブになっているのが笑えます。



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1985年、ハズブロは3.75インチの 『G.I.ジョー:リアル・アメリカン・ヒーロー』(ARAH) のラインから、メール-イン (ポイント通販)・フィギュアとして、実在のプロレスラーであるサージェント・スローター (v1) をリリースしました。
サージはサンボウ版アニメにも登場して人気を博し、その後フィギュアは1989年のv4 まではほぼ毎年リリースされました。

サージの成功に続いて、1986年にはアメフト選手のウィリアム・“ レフリジレーター ”・ペリーもザ・フリッジとしてフィギュア化されています。

そして1987年、ハズブロは映画 『ロッキー』(1976年) でシルヴェスター・スタローンが演じた主役のロッキーをG.I.ジョー・メンバーとして登場させることを計画したのでした。


ロッキーの試作に使用された未塗装の原型。
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この画像はアメリカの 『アクション・フィギュア・コレクター・マガジン』 で紹介されたもので、記事によると原型を作成したのはハズブロのデザイナーのビル・マークレイン Bill Merklein です。
Yo Joe! のアーカイブに掲載されているマーク・G・アダムズMark G. Adams氏による画像を無断転載。
Yo Joe! さんごめんなさい!


マーベル・コミックスが刊行した 『G.I.ジョー:オーダー・オブ・バトル』 第2号 (1987年1月) には、ロッキーのファイルカードが掲載されました。
ライターはラリー・ハマ。 ペンシラーは 『G.I.ジョー:ARAH』 第1号をはじめその後の多数を手がけたハーブ・トリンプです。
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コードネーム:ロッキー
ファイル名:ロッキー・バルボア
主要軍事特技区分:格闘戦教官
第2要軍事特技区分:特殊勤務
出身地:ペンシルベニア州フィラデルフィア
階級:E-5 (※三等軍曹) (予備役)

※映画 『ロッキー』 のロッキー・バルボアの本名はロバート・バルボアでした。
※ロッキーの出身はフィラデルフィアでしたが、スタローン本人はニューヨーク出身です。
※ちなみに 『ランボー』 のジョン・ジェームズ・ランボーはアリゾナ州ボーウィ出身、階級は除隊時で中尉だったそうです。


「有名なボクシング・チャンピオンは予備役としてどう過ごすだろうか? 楽な道を選ぶこともできる:手本としての特殊勤務だ。 与えられたエキジビジョンの試合をこなして、勲章も輝くズボン裾もない士官たちにごまをすっての点数稼ぎ──あるいは:G.I.ジョー・チームにボクシングの痛快な技術の真髄を訓練すべく、秘密の地位を得ることもできる。 ジョー・チームへの召集は極秘裏なものとされるだろう。 特別な給料も華美な特典もなく、公式なものでもない。彼が得るのはただ祖国のために何かをするという満足感だけである…」

アバーナシー准将 (コードネーム:ホーク) のメモからの抜粋
「…彼はその拳によって最高の一人と目されており、プギル-スティックを使おうと誰も彼に触れることすらできないが、私がジョー・チームのトレーニングに彼を必要とする理由はそこではない。 技術を教えることならば誰にでもできる。 私がジョーたちに見て欲しいのは、ベストを尽くすということ、あきらめずに戦うということだ:立ち上がって相手が仕掛けてくるものを全て受け止め─それをきっちり返す。 それは右フックを完璧に仕上げる方法よりも価値のあることなのだ」



ところが、ハズフロとスタローンの交渉は失敗に終わりました。
joefig には詳しい事情はわかりませんが、その頃スタローンは 『ランボー』 のアニメ版である “ Rambo: The Force of Freedom ” (1986年) のためにトイを発売していたコレコ社に肖像権を貸していたと思われるので、その辺りの事情によるものでしょう。


そして翌月に発売された 『G.I.ジョー:オーダー・オブ・バトル』 第3号 (1987年2月) では、最終ページに以下の文章が掲載されることになりました。
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撤回
『G.I.ジョー:オーダー・オブ・バトル』 第2号の10ページに、誤ってロッキー・バルボア (コードネーム:ロッキー) というキャラクターをG.I.ジョーのメンバーとして掲載してしまいましたが、ロッキーはG.I.ジョーのメンバーではなく、また今後そうなることもありません。



こうして幻に終わったG.I.ジョーのロッキーですが、ライバル的に企画されたコブラのトレーナーのビッグ・ボア (v1) は1987年にリリースされています。

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余談

スタローンのロッキーとは何の関係もない話ですが、1964年に発売された最初のG.I.ジョーのアクション・ソルジャー (陸軍) とアクション・マリーン (海兵隊) は、試作段階ではロッキーという名前が考えられていたそうです。
※これはもしかしたらDC コミックの第二次大戦物の主人公サージェント・ロックを意識したものかもしれません (初登場は1959年の 『G.I.コンバット』) 。


これも余談になりますが、『ロッキー』 シリーズでロッキー・バルボアの老トレーナーのミッキー・ゴールドミルを演じたバージェス・メレディスは、ハズブロのアクション・フィギュアのG.I.ジョーという名称の直接の元になった映画 『G・I・ジョウ』 “The Story of G.I. Joe” (1945年) では主役の従軍記者アーニー・パイルを演じています。
※アーニー・パイルは2004年に12インチのG.I.ジョーになっています。
そして、まさにロッキーのフィギュア化の話が出ていたのと同じ頃、サンボウ版アニメの 『劇場版 G.I.ジョー』 (1987年) でコブラ-ラの支配者ゴロビュラスの声を担当しているのでした。

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アニメ版ランボーのトイ

参考までに、ロッキーのG.I.ジョー入りをご破算にしたアニメ “ Rambo: The Force of Freedom ” のトイの画像も掲載しておきます。 画像はネットで拾いました。
発売はコレコ社から、おそらく1986年。
フィギュアのサイズは3.75 インチよりも大きく、18~19cm ぐらいあったようです。


主人公側であるフォース・オブ・フリーダムのフィギュア。
   K.A.T.  ターボ  ファイアー-パワー・ランボー
   ホワイト・ドラゴン  カーネル・トラウトマン (トラウトマン大佐)  ランボー
   T・D・ジャクソン  マッスル-パワー・ランボー  チーフ
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悪のS.A.V.A.G.E.(サヴェッジ) 側のフィギュア。
   マッド・ドッグ  ブラック・ドラゴン  グリッパー
   ジェネラル・ウォーホーク  サージェント・ハヴァック
   スネークバイト  ウィップ-アクション・ウォーホーク  ドクター・ハイド  X-レイ
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武器のプレイセット。
   アクション・ウエポンズ・アソートメント
   50口径対空ガン  81mm 迫撃砲  50口径マシンガン
   106mm リコイルレス・ライフル  ツイン-マウンテッド・7.62mm マシンガン  20mm オートマチック・キャノン
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フォース・オブ・フリーダム側のビークル。
   トライ-トラッカー熱探知ミサイル・ランチャー
   スワンプドッグ
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これもフォース・オブ・フリーダム側のビークル。
   スカイ・ウルフ・アサルト・ジェット
   スカイファイア・アサルト・チョッパー
   ディフェンダー6×6 アサルト・ビークル
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S.A.V.A.G.E.側のプレイセットとビークル。
   S.A.V.A.G.E.ストライク・ヘッドクォーターズ
   S.A.V.A.G.E.ストライク・サイクル
   S.A.V.A.G.E.ストームボマー
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以上、幻のジョー・メンバー、ロッキーでした。
サージと一緒に活躍する姿を見たかったですね。

さて、次回はアニメの記事の予定です。 それでは!
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by joefig | 2013-01-18 20:00 | 設定探訪 | Trackback | Comments(10)
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Commented by TORO at 2013-01-18 21:38 x
管理人様
TOROです。ご無沙汰しております。
これがかの噂のスタローンFIGですか。原型を見ると、何だか微妙にフクヨカに見えます。というより、四肢が付いた試作品と上半身のみのとでは顔が違いますね。
交渉が決裂した後は、結局彼は上官へのゴマすりに走ったのでしょうか?
このロッキーアニメのラインナップを見ると、どこかGI-JOEを彷彿とさせます。
敵側にモヒカンや胡散臭いNINJAがいるためでしょうか?
遅くなりましたが、本年も昨年同様よろしくお願いいたします。
                              
                                敬具
Commented by joefig at 2013-01-19 23:18
>TOROさん
ARAH時代の造型のプロセスが垣間見えて興味深いものがありますよね。伝言ゲーム的に、あれがこうなって…みたいな。
ファイルカード、せっかくハマ様がいいこと書いたのに、当のスタローンはぬけぬけと楽なほうの選択をしている生々しさが笑えます。

エクスペンダブルズもGIジョーっちゃGIジョーの感覚ですよね。むしろライズオブコブラより雰囲気出てるかも……あっ! そういえばブルースウィリスはどっちにも出てる!

こちらこそ、昨年はTOROさんにお世話になりました。今年もよろしくお願いします!
Commented by NOR at 2013-01-20 19:30 x
ししし、しまったぁ~!バージェス・メレディスは映画の「G.I.ジョー」で主役をやっていたんですか・・・これはチェックし損ねてましたよ。
なるほどソレ繋がりでゴロブュラスのオファーが廻ってきたわけですね。

浮気男ファルコン中尉はリアル女たらしドン・ジョンソンだったりROCのホーク将軍は飛行老人デニス・クエイドだったりカバーガールはフツウにデルモだったり、なかなか面白いですね。

ハマ師匠はカッコいい経歴書いてますが、カードイラストのヤツの風体はレーガンに褒められて勲章もらう事しか考えて無い風でイカしてます(笑)
ラジオのインタビューでハマ師匠もロッキーのオファーの件に関してかなりの自信を持っており、「ハズブロのスタッフは不可能を可能にするからね」的な発言をしていたログを読んだ事があります。
G.I.ロッキーが実現してれば「変なGIジョー」の決定版として大活躍が期待できただけに残念。

でもまぁ、コレコのおもちゃもこれはこれで香ばしいですね(笑)
Commented by ダジル at 2013-01-20 19:43 x
こんばんは!ダジルです。

ロッキーのフィギュア イイですねェ~‼
当時の造形では ⁇って感じはありますが、今作ればリアルかつ味のあるフィギュアになると思います。
出たら 僕的には絶対欲しいんだけどなぁ〜まあ クイックキック師匠とちょっとキャラが被る気がしなくもないですが、ジャングル系のフィギュアと頭だけ交換すれば それこそランボーにもなりますもんね!
ん~、欲しい‼
Commented by ドリア at 2013-01-20 20:09 x
エイドリアーン!

むしろランボーがG.I.JOEチームという方が設定的に納得な気がw

しかし ランボー、最近 BSで1を見ましたが ベトナム帰還兵の悲哀を描いた
超社会派なんですねぇ。
1以外はそうでもないみたいですが。

1を見てしまうと、フィギュア化して 子供が遊ぶようなイメージがないです。

ランボーとトラウトマンを並べて

「ランボー…もう終わったんだ」
「終わっちゃいない。まだオレの戦争は終わっちゃいないんです!アア」

とか…あ、楽しそう(´∀`*)
Commented by joefig at 2013-01-20 22:46
>NORさん
そうなんですよ! 『G・I・ジョウ』のバージェス・メレディスをゴロビュラスの声に抜擢し、そしてその原作のアーニー・パイルを12インチ化している点は、『G・I・ジョウ』へのリスペクトというより、パクリを美化したい魂胆を感じます。

ドン・ジョンソンは…そもそもファルコンのキャラがどうしようもないというのはありますが、彼も声優としては魅力に欠けますね~。

ハマ師匠の自信満々のラジオのインタビュー、なんだか微笑ましいものがありますね。 その後は破談になって頭にきたんでしょうけど!

当時のアメリカのおもちゃは、ビークルとかプレイセットの充実振りが面白いですね。
Commented by joefig at 2013-01-20 22:52
>ダジルさん
最近の3.75インチのロッキーとかランボーのフィギュアは欲しいですよね! 恩讐を超えて30数年ぶりに実現しないかな~。
Commented by joefig at 2013-01-20 23:07
>ドリアさん
1だけを観たら、当時誰もランボーがアニメやおもちゃになるだなんて考えもしなかっただろうと思いますね。
コレコ社のトイで、適当キャラに混じってちゃんとトラウトマン大佐が発売されていたのはニヤリとさせられます。
Commented by KEITEN29 at 2013-02-07 18:31 x
ロッキーのフィギュア化のお話があったんですね~!
ここでしか読めない貴重なお話しで、とても勉強になりました!

私は何も知らないので、スローターの出自もジツザイノプロレスラーだと知って、とても興味が湧きました!
ハズブロさんは、随分と前からいろんな意欲的な取り組みをやっていたんですね~!
「エクスペンタブルズ」も、他社からも立体化されていますが、このバイタリティで、3.75インチ化して欲しいですね~!

ランボーはロボコップの3.75インチを造っていたのと同じ会社が手掛けていたような気がしますが、
いやはや記憶があいまいで誤情報になってしまうかもしれません!
Commented by joefig at 2013-02-07 18:51
>KEITEN29さん
もしもこの時点でロッキーがG.I.ジョーになっていたら、アニメでロッキーがサーペンターやゴロビュラスと戦っていたかもしれませんね~。 バック2リベンジでブルースウイリスとスタローンが共演して、エクスペンダブルズと区別がつきにくくなっていたかも!

今のところ、実在人物がジョー化された例はレスラーのロディー・パイパーが最後になっていますが、この路線はまた続けて欲しいです。

もっとも映画のロック様やブルース・ウイリスも、演じているキャラクターより本人たちの存在感のほうが強いので、実在人物のジョー化に思えてしまうんですけどね。