25th/アイアン・グレナディア(コミック2パック#86)
Yo Joe! の分類ではアイアン・グレナディアv6 にあたります。
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マーベル・コミックスの "G.I.Joe: A Real American Hero" #86 ...Not Fade Away ! (1989年5月) の復刻版と、 アイアン・グレナディアv6、コブラ・ヴァイパーv16 のセットで、アイアン・グレナディアv6 はO-リング時代のアイアン・グレナディアv1 (1988年) のリメイクにあたります。
付属コミックの#86 の内容は、極秘の巨大レーザーが設置されたニューヨークの高層ビルをデストロの私兵であるアイアン・グレナディア部隊が襲撃するというもので、実はこのアイアン・グレナディアたちはコブラ軍が変装したものでした。
なお、Yo Joe! では、今回紹介するコミック2パック#86 のアイアン・グレナディアと、コミック2パック#7 (2008年) に付属するアイアン・グレナディアとが共にv6 として扱われています。
コミック2パック#7 のアイアン・グレナディアは、デストロv19a/v19b、ハズブロのオリジナル・コミック第7号とのセットになっていました。
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コードネームの意味
grenadier というのは 「擲弾兵」 の意で、グレネード即ち擲弾 (原始的な手榴弾) の投擲のために勇敢で体格のいい (背が高い) 兵士から選ばれたそうです。
やがて擲弾兵は、歩兵の精鋭部隊を意味するようにもなりました。
現代における名誉称号としての 「擲弾兵」 の一例として、バッキンガム宮殿の護衛にあたるイギリス陸軍所属の五つの近衛歩兵連隊のうちのひとつ、「グレナディア・ガーズ」 が挙げられます。
グレナディア・ガーズの場合、グレナディアは 「擲弾兵」 という兵種を意味するものではなく、あくまでこの連隊に与えられた名前であり、ナポレオン戦争のワーテルローの戦い (1815年) において、フランス軍の精鋭部隊であった皇帝近衛擲弾歩兵連隊を破ったイギリスの近衛歩兵第一連隊が、それ以来 「近衛歩兵第一またはグレナディア連隊」 と名乗ったことによるものだそうです。
Iron のほうはもちろん 「鉄」 の意味ですが、これについてちょっと深読みしてしまうと、デストロv20 のファイルカードに、彼の祖先はイギリスのクロムウェルによって仮面の刑に処されたということが記載されていました (実写映画ではフランスのルイ13世による)。 もしかしたら原作者のラリー・ハマはこのあたりの知識から、クロムウェルの率いた 「鉄騎隊」 (アイアンサイド) のことが念頭にあったのかもしれません。
ちなみに準備稿の中では、 「ネームレス・リージョン (レギオン)」 The Nameless Region、 「ステンレス・スティール・ブリゲード」 Stainless Steel Brigade、 「ハード・コー」 The Hard Corps という名前も候補として挙がっていたそうです。
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アイアン・グレナディアについて
アイアン・グレナディアとはマッカラン一族 (デストロ一族) の私設軍隊の名称であり、その一兵卒にあたる今回の兵士を特に指す場合にはアイアン・グレナディア・トルーパーと呼ぶようです。
SDCC限定デストロ2パック (2009年) のボックスに記載された設定によると、創設したのはジェームズ・マッカラン11世 (1660~1717年) で、名誉革命で王位から追われたイギリス王ジェームズ2世 (スコットランド王としてはジェームズ7世) の復位を支持するために、その護衛として誕生したということです。
マーベル版コミックでは、まず 『G.I.ジョー:ARAH』 第57 号 「奇妙な仲間」 においてデストロの私兵の存在が明らかとなり (サージェント・メジャー、ドニー、マクヒュー、セルカークらが登場)、第69 号 「突破口」 にてアイアン・グレナディアが初登場しています。
デストロは、G.I.ジョー本部 「ピット」 への攻撃の後にサーペンターに見捨てられたことからコブラには帰還せず、やがて私設軍隊アイアン・グレナディアを率いて中南米の紛争国家シエラ・ゴルドに姿を現し、腐敗政権に対抗する反政府ゲリラ (反革命派) に取り引きを持ちかけてこの国家に対する影響力を確立します。
コブラ・コマンダー (フレッド7号) とサーペンターの間でコブラ内戦が勃発した折には、デストロ率いるアイアン・グレナディアはどちらの陣営にも与せず、ただバロネスだけを救出して去っていきました。
そしてバロネスからコマンダーの正体がフレッド7号であることを聞かされたデストロは、彼を脅してコブラを完全に掌握し、一時は M.A.R.S.(アイアン・グレナディア) とコブラが統合されることとなります。
『G.I.ジョー:スペシャル・ミッション』 第26号では、シエラ・ゴルドにおけるアイアン・グレナディアとの戦闘でオクトーバー・ガードのブレコフ大佐、ホラーショー、シュラージ、ストルマヴィクが戦死しています。
その後、本物のコブラ・コマンダーが帰還するとコブラの支配権は再びコマンダーの手に帰り、デストロとアイアン・グレナディアはコブラとは別の道を歩むことになっていきます。
アイアン・グレナディアのメンバーについては、以下のキャラクターや兵科、ビークルがトイやコミックの中で登場しています。
将校・幹部
ジェームズ・マッカラン11世 創設者。 設定のみの存在。
(ジェームズ・マッカラン12世~23世は略)
ジェームズ・マッカラン24世/デストロ 現当主。
サージェント・メジャー/サージェント・メジャー・ダンカン
マーベル版コミックに登場したデストロの副官。
G.I.ジョー・コンベンション 2012 で初フィギュア化、本名がアラステア・トーマス・ダンカンと判明。
階級はカンパニー・サージェント・メジャー (CSM、曹長または准尉)。
ヴォルター 元傭兵。 階級は少将。
ダークロン デストロの遠い従弟。東欧の小国ダークロニアの支配者。
メタル-ヘッド
対戦車スペシャリスト。 本名スチュアート・A・フィンレイ。DIC 版アニメでの活躍が印象的。
マーベル版コミックではなぜかその照準デバイスはM.A.R.S.ではなくスターク・インダストリーズ製。
ジェネラル・メイヘム
元スペツナズ。 本名ウラディミール・P・マイヘモフスキー。
G.I.ジョー・コンベンション 2012 で、元はオクトーバー・ガードのアイアン・ベアーであったという設定が
加わる。
アレクサンダー・マッカラン/デストロ
DDP 版コミックに登場。デストロの庶子で、病床の父に代わってデストロとして振る舞う。
ミストレス・アーマダ (アルマダ)
DDP 版コミックに登場。 元イギリス軍出身の女性。本名リリアン・オズボーン。 アレクサンダーと組む。
“ラウディー” ・ロディー・パイパー
トレーナー。 ジョン・カーペンターの映画 『ゼイ・リブ』 の主人公ジョン・ネイダ役でも知られる実在の
プロレスラーのロディー・パイパーがモデル。
兵種・兵科
アイアン・グレナディア・トルーパー
一般歩兵。 通常装備、寒冷地装備、重火器装備などが存在。
アイアン・グレナディア・オフィサー
士官。
アイアン・グレナディア・エリート・ガード
士官。 階級は少尉。
フェレット D.E.M.O.N.(ディーモン/デーモン) の操縦士。
ナラファイア A.G.P.のパイロット。
アナイアレーター ヘリコプター・バックパックを装備したエリート部隊。
T.A.R.G.A.T.(ターガット)
ワイルド・ボア レイザーバックの操縦士。
アンダートウ 水中工作員。
アイアン・アンヴィル 降下兵。
ビークル
A.G.P. 反重力ポッド。
ステルスA.G.P.
D.E.M.O.N.(ディーモン/デーモン) 可変戦車。
ディスポイラー デストロの小型飛行メカ。
ドミネーター ヘリ+戦車の複合兵器。
イヴェイダー ダークロンの二輪装甲車。
レイザーバック 可変装甲車。
アイアン・メック パワード・スーツ。
ソヴィエト・コンボイ・トラック
G.I.ジョー・コンベンション 2012 でリリースされた軍用カーゴ・トラックにアイアン・グレナディア仕様
の幌が付属。
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ファイルカード(意訳)
≪コミックパック#7版≫
エリート兵士 コードネーム:アイアン・グレナディア
ファイル名:多様
主要軍事特技区分:歩兵
出身地:各地
デストロは自分のボディーガードの中からアイアン・グレナディア・トルーパーの軍隊を作る。 耐久力、執着心、そして生粋の卑劣さゆえに選ばれたアイアン・グレナディアは目標エリアに侵入してパニックと混乱を広げ、兵器──もちろんデストロが供給するもの──の需要増をもたらす。 アイアン・グレナディア・トルーパーは、その戦闘や説得の技術を駆使して、資源の豊富な領域から価値ある兵器が隠された超高層ビルまで、あらゆるものを征服する。 芯まで傭兵である彼らの報酬は、彼らの努力によって獲得された利益からのパーセンテージである。
「レジスタンスは衰退している! 我々はものの数分で制圧できるだろう!」
≪コミックパック#86版≫
エリート兵士 コードネーム:アイアン・グレナディア
デストロは自分のボディーガードの中からアイアン・グレナディア・トルーパーの軍隊を作り上げた。耐久力、執着心、そして生粋の卑劣さゆえに選ばれたアイアン・グレナディア・トルーパーは、武器供給者がコブラ組織の支配権を奪うための計画の一部である。アイアン・グレナディア軍は、目標エリアに侵入してパニックと混乱を広げ、兵器──もちろんデストロが供給するもの──の需要増をもたらすべく訓練されている。アイアン・グレナディア・トルーパーは、銃を持った不気味なセールスマンであると言えよう。実際、彼らはその努力によって軍備を販売した場合にはその手数料を受け取り、暴動を起こさせたり武装蜂起を促進した際には多大な得点が与えられるのである。
「我らは心を持ってない、我らは恐れを持ってない、我らはお前に銃を売る、我らはお前に槍を売る……我らはアイアン・グレナディア!」 (アイアン・グレナディアの行進歌の一部より)
素体。
ヘッド、脛から下は新規造形。
それ以外は25th のコブラ・コマンダーv28 (2008年) から。
バストアップ。
頭部はナチス時代のドイツ軍のシュタール・ヘルメットにシャーク・フィンを付けたような形状のヘルメットに、角ばったゴーグルとマスクを装着しています。
マスクはガスマスクのような機能がありそうな形状ですね。
付属品。
ディスプレイ・スタンドのほか、
懸章 (サッシュ)(新規造形)、
剣帯と鞘 (デストロv16 から)、サーベル(同)、ウージー(アイアン・グレナディアv1 から)、レーザー・ピストル (新規造型)。
レーザー・ピストルの色は#7 版がレッド、#86 版がブラックです。
RoC のM.A.R.S.トルーパー、PoC/30th のコブラ・トルーパーv15 と。
どことなくぎこちなさの残るプロポーションですね。
デストロの記事で遊慈さんも書いておられましたが、普通ならサーベルは左腰に帯刀して右手で抜くものかと……。 これだと左手で抜くようですかね。
でもとりあえず右手にサーベルを持たせてみました。
ザッ、ザッ…… 「♪ わ~れら~はア~イア~ン・グ~レナ~ディア~~」
レーザー・ピストル。
これを収納するためのホルスターは特に備わっていません。
ほかの一般的なハンドガンと比べると小さすぎて迫力不足な気がしました。
ウージー。
逆にこちらはかなりオーバーサイズになっていて不自然です。
腕部の可動範囲がいまひとつのため、構えた姿勢も大体この画像のようなポーズぐらいしか決まりません。
今回のもの (上) と、PoC のロウ-ライトv8 に付属したもの (下) との比較。
ロウ-ライトv8 のウージーを持たせてみました。 サイズ的にはこのほうが妥当かと。
レーザー・ピストルの替わりに、RoC のネオ-ヴァイパーv9 のパルス・ガンを持たせてみました。
PoC/30th のアイアン・グレナディアv8 を意識して、リタリエーションのロードブロックv22 に付属したM134 ミニガンで武装!
RoC のSDCC 限定デストロ2パックのジェームズ・マッカラン9世に付属したマッカラン氏族のバナーを持たせてみました。
RoC のデストロv23 などと並べて。
以上、アイアン・グレナディアでした。
今となって買うほどの魅力があるフィギュアでもありませんが、joefig はPoC/30th 版でアレンジされたものよりもこちらのデザインのほうが好みだったので手に入れてみました。
微妙なプロポーションだしポージングも決まらないので、この雰囲気でもう一度リメイクしてほしいですね。
さて、次回はまたアイアン・グレナディア・トルーパーの予定です。 それでは!