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The Pit

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ハズブロ社の 「G.I. ジョー」 に関するランダムな記事のブログです。

マーベル/『G.I.ジョー:ARAH!』 第61号 「始まりと終わり」

 今回は " G.I.Joe: A Real American Hero ! " #61 Beginnings and Endings (1987年7月) をピックアップしてみました。
マーベル/『G.I.ジョー:ARAH!』 第61号 「始まりと終わり」_d0164702_23431258.jpg

──ストーカー、クイック・キック、アウトバック、スノー・ジョブの4名は、スパイ容疑でボロヴィア政府に逮捕されたジャーナリストのデヴリン・ウィンチェルを救出するために現地に潜入する。
 デンバーでは、記憶を回復したビリーが父の元を去った。
 コブラ・コマンダーは、息子の尊敬を少しでも取り戻すためにコブラとしての活動をやめる決心をする。フレッド7号とラプターはこの決意に驚き……。
 ボロヴィアで政府のビルを襲撃したストーカーたちは、アメリカ政府によるスパイ交換の取り引きですでにウィンチェルが解放されていたことを知る──。



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                    ↑ 第61号~第70号ダイジェストへ 

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 第60号に続き、この号のアートは当初トッド・マクファーレンが担当していましたが、これは却下され、替わってマーシャル・ロジャーズが仕上げました。
 トッド・マクファーレンによる最初のバージョンは、後に 『G.I.ジョー:ARAH スペシャル』 第1号 (1995年) として刊行されています。

 共産圏の国家ボロヴィアが初登場。ストーカーたちはそこで捕まり、第65号まで続くストーリーが始まります。

 また、この号ではコブラ・コマンダーがフレッド7号に撃たれるという事件が起きています。

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登場人物


 G.I. ジョー・チーム
  ボロヴィア潜入チーム
   ストーカー    アウトバック    スノー・ジョブ    クイック・キック
  その他
   ジンクス
   ホーク  エアボーン  フリント  ファルコン  ロックンロール  スカーレット
   シップレック&ポリー  スリップ・ストリーム  スネーク-アイズ  ロウ
 
 コブラ
   コブラ・コマンダー  フレッド7号  ラプター

 その他
   ビリー
   デヴリン・ウィンチェル (アメリカ人ジャーナリスト。 三流タブロイド紙の記者)
   TV リポーター (女性)

 ボロヴィア人
   スピゴウ (G.I. ジョーの現地協力員。 死亡)
   警備兵    ズーキン軍曹    ラトニコフ大佐

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地名


 ボロヴィア民主主義人民共和国 (共産圏の国家。 第65号によると国境をオーストリアと接しています)
   クログドンツ (ボロヴィアの首都)
   ホテル・グロッド (クログドンツにあるホテル)
   国家公安局ビル

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詳細


 アメリカ某所、アメリカ軍基地の地下。
 デヴリン・ウィンチェルという名のアメリカ人ジャーナリストが、スパイ容疑によりボロヴィア人民共和国で逮捕された。
 G.I. ジョー・チームは国防総省からウィンチェルの救出任務を与えられる。

ホーク  「ボロヴィア人はウィンチェルを見せしめにしようとしている。国防総省としてはこんな真似を許しておくわけにはいかん……」
     「君たち4人には彼を連れ戻してきてもらう。貿易商を装ってだ……」
     「……ストーカーはアフリカの農業関係の大使だ……」
     「クイック-キックは東南アジアのエコノミスト……」
     「アウトバックにはアラブの精製所の技術者になりすましてもらう……」
     「……そしてスノー・ジョブはフィンランドのウォッカ製造業者だ」
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ホーク  「ボロヴィアでは地下でこの男と接触してほしい。彼の名はスピゴウだ。見かけは冴えんができる男だ」
     「ボロヴィアの首都クログドンツにあるホテル・グロッドで彼に会え……」
     「こいつは君たちの偽造パスポートだ。所持品は全て調べられるだろうから、君たちには該当する国の衣類やアクセサリーを身に着けてもらいたい……」
     「最後にもう一つ。この任務にある間、君たちは軍から解雇されることになる。政府の関与を否定するためだ……」





 翌日、デンバーにあるフレッドのガレージ。
※クリムゾン・ガードのフレッド7号は普段は自動車修理工場の経営者を装っています。彼はここでコブラ・コマンダー用のバトル・アーマーとビリーのための義足を製作しました。
 コブラ・コマンダー、フレッド7号、ラプターたちを前にして、事故に遭う前の記憶をようやく取り戻したビリーは、彼らのもとを去ろうとする。
 フレッド7号は彼を止めようと銃を突きつけるが払いのけられた。
 続いてコブラ・コマンダーもビリーに銃を突きつける。しかしビリーは父であるコマンダーを裏切らないと約束し、その言葉を信じたコマンダーはフレッド7号の強い反対を押しきってビリーを行かせることにした。




 ボロヴィアの首都クログドンツにあるホテル・グロッドの一室。
ストーカー  「全員揃ったな、クイック-キック?」
クイック-キック  「全部の資料に説明も受けた。スピゴウは何もかもうまくやってくれてるようだ」

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スピゴウ  「リポーターのデヴリン・ウィンチェルは国家公安局のビルの中に捕まっている」
      「これは君たちの国でいう FBI みたいなものだ。 建物の中にいる連中は全員武装していて大掛かりな電子監視装置もある」
      「この建造物は冷戦で偏執狂になっていた50年代に建てられたものだ。非常に頑丈で、掩蔽壕なみだ」
      「メイン・フロアと基礎部分の図面がある……」

      「……これらは国家公共事業計画室のファイルにあったオリジナルの図面だ」
      「改築を受けて以降の最新のものは記録にない。 現在の配置を知る術はない……」
スノー・ジョブ  「中に入ってみるしかないってわけだな……」
スピゴウ  「国家公安局ビルの中に侵入した者は、無名墓地かグラーグ (※強制収容所) に送られて姿を消すのが常だ」


 彼ら救出チームは、定期的にごみを回収している清掃トラックを使って、裏口から国家公安局ビルに侵入する作戦を立てる。




一方、デンバーでは……
 フレッドのガレージを後にしたビリーは、ブラインド・マスターの主催する格闘技スクールを尋ねていた。
※ビリーは第59号でこのスクールを見つけています。
ビリー  「先生?」
ジンクス  「誰を探してるの?」
ビリー  「ブラインド・マスターがここにいるかと……」
ジンクス  「彼は出かけたわ」
ビリー  「アシスタントがいるはずだ。ジンクスという名の女性が……」
ジンクス  「会ってどうするの?」
ビリー  「彼女は僕と一緒にニンジャの修行を行おうと提案してくれた」
ジンクス  「あなたが選んだのは険しい道よ、ビリー」
ビリー  「ジンクス!」
ジンクス  「私が入隊していることには気付いていた?」
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ビリー  「誰かがいるとは思っていました。G.I.ジョーに報告してくれていたのはあなたですね」
ジンクス  「その通りよ」
ビリー  「それじゃブラインド・マスターも……」
ジンクス  「ブラインド・マスターは彼自身の道を行くの。彼はあなたとは関わらないわ」
ビリー  「僕は父を裏切るつもりはない……」
ジンクス  「すべきことをすればいいのよ」





通りの向かいにあるフレッドのガレージ……
フレッド7号  「一体どういうことです、手を引くとは?」
コブラ・コマンダー  「終わりにする。やめるのだ。私は新しい人生を始める」
        「私は息子の人生、自分自身の人生、そして無数の命を損なってきた。そう、足を洗いたい……」
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ラプター  「あなたがコブラ・コマンダーであり続けることを断念したら、何もかも台無しになってしまうのですぞ!」
      「コブラの組織の支えなしでは、私は脱税で刑務所送りになってしまいます!」
フレッド7号  「おれはどうなるんです? 何もかもコブラのために身を捧げてきた……」
コブラ・コマンダー  「うまく取り計らってもらえるよう、サーペントールに推薦状を書くとしよう……」
           「やっと私の眼が醒めたということを君に理解してもらいたい……」


コブラ・コマンダー  「……全てをやり直すのだ。今後こそはきちんとな」
           「そして私はビリーからの尊敬を取り戻すのだ……」
フレッド7号  「本気なんだな!」

        「おれはあんたのために整形手術まで受けてフレッドの複製になったんだぞ! おれはコブラのために自分の過去を捨てたんだ!」
        「そのことだけでも、あんたはおれに借りがあるわけだ……」
        「借りがな!」  バーン!
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フレッド7号  「このアーマーの素晴らしい点は……」
        「……中に入る者を選ばないというところだ」





 ボロヴィア。
 ストーカーたち救出部隊は国家公安局への襲撃を開始する。
 彼らは一人の警備兵を捕らえ、ウィンチェルがいるはずの独房をチェックするが、そこには誰もいなかった。
 警備兵の説明から、実はすでにウィンチェルは、アメリカ国務省が段取りしたボロヴィア人スパイとの交換で解放されていたことが判明する。
 国務省はこの密約を極秘にしていたため、G.I. ジョーに救出任務を命じた国防総省にすらそのことは伝えられていなかったのだ。

 G.I. ジョーたちの行動中に夜が明け、交替の警備兵たちは詰め所に担当のズーキン軍曹の姿がないことに気付いて警報を鳴らした。
 脱出するG.I.ジョーたち。

アウトバック  「正面に掃射する! その間にドアに走るんだ!」
ストーカー  「行け、スノー・ジョブ!」
ダダダダダダッ!
アウトバック  「トラックを出せ、スピゴウ! おれは援護射撃する!」  ダダダダダッ!
ストーカー  「続け、クイック-キック!!」
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アウトバック  「アクセルだ、スピゴウ! 奴らは路地を塞ぐつもりだ!」  ダダダダッ!
クイック-キック  「撃たれたっ!」
ストーカー  「ゴミ箱の後ろに伏せろ!」  チュイーン!  ダダダダッ!  カンッ!
ダダダダダッ!  ブロロロー!  
兵士  「ラトニコフ大佐にお伝えしろ! 街を封鎖してもらうんだ!」


 路地は封鎖され、戦車まで動員された。 ストーカーたちを乗せたトラックは袋小路に追い詰められる。
 スピゴウはストーカーたちを降ろすと、戦車に向かって突っ込んでいった。
 グラーグ (強制収容所) に送られるよりはこのほうがましだと腹を決めたスピゴウは、砲撃を受けてトラックごと爆死する。

 その間にストーカーは、自分は負傷したクイック-キックとスノー・ジョブについて残らなければならないと言い、アウトバックに一人逃げ延び、ホークに出来事を伝えるようにと命令していた。
 マンホールから下水道へ逃げるアウトバック。
 そしてストーカーたち3人は国家公安局に逮捕されてしまった。




その後、アメリカ某所……
リポーター  「……たった今ボロヴィア人民共和国から入った情報によりますと……」
       「……本日、ジャーナリストのデヴリン・ウィンチェル氏の突然の釈放に先立ち、西側の傭兵からなる一味がボロヴィアの公安警察に逮捕されていました」
       「国務省は、この傭兵たちやすでに解放されていたウィンチェル氏の救出という試みに対し、いかなる関与も否定しています……」
       「“ これは我々のやり方ではありません ”。 国務省のスポークスマンはこのように述べています」

ロックンロール  「そりゃあ確かに、いつだってあいつらのやり方じゃないさ……」
ロードブロック  「あいつらは大使館のパーティーでシャンパンを飲んだり、おれたちのことを売リ渡したりしているだけだからな!」

※左からフリント、ロックンロール、スカーレット、ファルコン、スネーク-アイズ、エアボーン、スリップ・ストリーム、ロードブロック、シップレック&ポリー。
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ホーク  「上からの指示を持ってきた……」
ロックンロール  「ホーク! おれたちがストーカーやスノー・ジョブ、クイック-キックたちとひと暴れする任務はいつです?」
ホーク  「救出の試みはないだろう。 捕らえられたジョーたちは考慮の対象外だそうだ」
     「この命令を無視した者は、誰であれ同様に関係を否認されるだろう」

4月28日発売の 『 G.I. ジョー・スペシャル・ミッション』 第6号に続く!



 終わり

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 以上、第61号でした。
by joefig | 2012-04-29 21:46 | コミック

by joefig