マーベル/『G.I.ジョー:ARAH!』 第41号~第50号ダイジェスト
トップ画像はイメージ・コミックス版 TPBの第5巻 (最終巻) (2002年) の表紙です。イメージ・コミックスからは、TPB はこの第5巻までしか刊行されませんでした。
この表紙は、後の IDW版TPBの第5巻 (2009年11月) でもほとんどそのまま使用されています。
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第41号~第50号の時期には、これまで続いていたストーリーの流れが転換期を迎えることになります。
公的に独立国家であると承認されたコブラ・アイランドを新たな拠点としたコブラは、G.I. ジョーの総攻撃を受けたスプリングフィールドをほぼ放棄します。
また、スプリングフィールドの防衛を指揮するために創造された究極の戦士・サーペンターが、コマンダーの意に反してコブラの兵士たちの人心を掌握していくことになります。
ビリーを助けたことでコブラを裏切った形のストーム・シャドウは、ついにハード・マスターの真犯人が誰かを知ってスネーク-アイズと共闘しますが、バロネスに撃たれたあとサーペンターの創造に利用され、頭の中に歴史上の戦士たちの記憶が入り込んでしまいます。
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第41号 「戦略的外交」 Strategic Diplomacy (1985年11月)
──コブラ・アイランドの戦いから帰還したリップ-コードは、ブザーがキャンディーを連れて脱走したことを知る。
その頃、ヒッチハイクした車に乗ったソフト・マスターがスプリングフィールドに現れた。 彼はハード・マスター殺しの真犯人をつきとめるためにスプリグフィールド警察署に侵入する。
ニューヨークのストーム・シャドウのもとで修行していたビリーもまた、父親と対峙するため再びスプリングフィールドへ向かった。
・ ベトナム時代のスネーク-アイズたちの、残る3人の戦友の氏名が明らかになります。 そしてその一人、ウェイド・コリンズは生きており、クリムゾン・ガードのフレッド・ブローカ (フレッド2号) であることも判明します。
──ストーカーやスネーク-アイズと対峙したウェイド・コリンズ(フレッド2号)は、彼らが自分をベトナムに置き去りにしたと責める。 捕虜となっていた彼は、ベトナム戦争が終結してアメリカに帰国できたものの、世間からの不当な風当たりに絶望し、コブラの一員となったのだった。
・ ソフト・マスター、キャンディー、チャックが死亡。 ビリーも死んだかのように思われますが、彼は後に第55号で再登場します。
第44号 「即興の課題」 Improvisation on a Theme (1986年2月)
──ネバダ砂漠で新人たちを評価訓練を行うレディー・ジェイ。 そこへ、コブラに新兵器を売り込もうとするマインドベンダー博士が襲撃してくる。
・ A.W.E.ストライカー、モーラーM.B.T、シルバー・ミラージュが初登場。
・ マインドベンダー博士、B.A.T.が初登場。
・ 変異植物クリーパー・ボムが登場。 サンボウ版のアニメ 『地上最強のエキスパートチームG.I. ジョー』 の 「コブラの復讐」・「ワシントンの危機」 (本国でのオンエアは1984年9月10日・11日) に登場したクリーパー・ヴァインを思わせる設定です。 25thのB.A.T. v21に付属していたミュータント・クリーピング・ヴァインはこの第44号にちなむものでしょう。
・ DtCコミック3パック#44(2006年) (レディー・ジェイv5、コブラ・トルーパーv4×2)
第45号 「キャンディーを探して」 In Search of Candy (1986年3月)
──コブラ・アイランド上空を偵察飛行中のスカイ・ストライカーからリップ-コードが降下する。 ドレッドノックに連れ去られたキャンディーの父親はクリムゾン・ガードであり、キャンディー自身もコブラのエージェントであるかもしれないと悩むリップ-コードは、自分の手で真相を確かめたかったのだ。
その頃、ピットにいたスネーク-アイズは、従軍牧師補佐たちが警察の通信網にあった不可解なメッセージについて話しているのを耳にする。 それは3つのUで始まり、ハード・マスター殺しの犯人は……という内容だった。すかさず飛び出していったスネーク-アイズは、ニューヨークのストーム・シャドウの隠れ家に向かう。
・ アルパイン、クイック・キックが初登場。
・ ハード・マスター殺しの真犯人はザルタンであったことが判明します。
・ スネーク-アイズとストーム・シャドウが、初めて協力してコブラと戦うことになります。
・ オースティン将軍は退役し、ホークは准将に昇進します。
・ 米軍最高司令官 (コマンダー・イン・チーフ) としてモニターに映るアメリカ大統領は、第40代大統領ロナルド・レーガン (在任1981~1989年) を思わせます。
※第45号と同じ月には 『G.I.ジョー・イヤー・ブック』 第2号が刊行されています。
第46号 「コブラ・アイランドの男たち」 Who's Who On Cobra Island (1986年4月)
──リップ-コードを倒したザルタンは彼に変装し、リップ-コードの救出のためにコブラ・アイランドに上陸してきたフリントたちのチームにまんまと合流する。
一方、ザルタンを探しにきたアペル教授は気絶していた彼を発見し、彼が自分の娘の写真を持っていることに気付く。 この男はザルタンではなくG.I. ジョーで、アペル教授は娘の身に何かが起きたことを理解する。
第47号 「海の対決」 Sea Duel (1986年5月)
──リップ-コード (実はザルタン) を救出したフリントたちのチームはW.H.A.L.E. に回収された。 その頃、ファイアーバットに乗った本物のリップ-コードは自動操縦でスプリングフィールドに向かっていた。
・ デビルフィッシュが初登場。
・ ストーム・シャドウはバロネスに撃たれます。
・ TV コマーシャル (1986年) で一部アニメ化。
──コブラ・アイランドではストーム・シャドウの遺体が検査され、バロネスは彼が仮死状態となる技を使うことを指摘し、マインドベンダー博士は遺体を冷凍室に運ぶ。
ピットでは、ドクがリップ-コード (実はザルタン) の血液を調べていたが、リップ-コードは突然スネーク-アイズの姿になって逃走する。 基地内の全てのG.I. ジョーが動員される中、次々と別のジョーに変身して逃げ回るザルタン。
・ ドクはザルタンの血液を調べ、それがカメレオンのような性質を持っていることを知ります。 ザルタンの擬態は単なる変装やホログラムだけでなく、体質的なものであることがここで判明しました。
・ スローター軍曹が初登場。 ガン-ホーと彼に変装したザルタンが争っている場面で見事ザルタンを倒し、どうやって見分けたのかとレコンドに聞かれて 「見分けちゃおらん。 確立は五分五分だ。 おれはラッキーだったようだな、ああ?」 とコメントしてます。
・ ジャグラーズが初登場。 国務省はコブラ外交官との間に一定の外交関係を保つことを決定、ジャグラーズはホークに、G.I. ジョーのコブラ・アイランドへの立ち入りを禁止する命令を下します。
第49号 「サーペントール」 Serpentor (1986年7月)
──デストロ、バロネス、マインドベンダー博士は中東にある古代の墓から死体を盗み出していた。 コブラ・アイランドに戻ったマインドベンダーは古代の勇者から究極の戦士を造り出す計画を話し、コマンダーは彼にブレイン-ウェーブ・スキャナーを含む故・ヴェノム博士の設備へのアクセス権を与える。
その後、設備はスプリングフィールド歴史博物館に設置され、マインドベンダーは戦士の創造にあたって歴史的な10人の戦士とストーム・シャドウを対象に、彼らの遺伝子とブレイン-ウェーブ・スキャナーで読み取った記憶とを用いる。
・ サーペントールが初登場。サンボウ版アニメのように新たなリーダーとしてではなく、当初は究極の戦士として創造されています。
・ VvVコミック3パック#49(2005年) (ファイアーフライv12、スクラップ・アイアンv3、サーペンターv3)
・ TV コマーシャル (1986年) で一部アニメ化。
・ 2本立てです。
──スプリングフィールドの市街地で、アサルト・チームは空港へと向かうコブラの主力部隊と交戦するが、サーペントールに動きを読まれて苦戦する。 サーペントールは一人の兵士も置き去りにすることなく、銃弾に傷つくことも省みずに最前線で指揮をとっていた。
デストロは住民に避難を命じ、コブラに関するあらゆる資料を持ち出すか焼き払うかして、合流地点であるスプリングフィールド高校へ向かうよう指示していた。
・ スプリングフィールドは破壊されますが、そこにコブラがいた証拠も完全に失われ、G.I. ジョーは攻撃の正当性が証明できなくなってしまいます。
・ スプリングフィールドを無事脱出してコブラ・アイランドに到着したサーペントールに会ったコマンダーは、彼が優れた戦士であるばかりか偉大な指揮官であることに気付き、危険を察知します。
「G.I.ジョー・スペシャル・ミッション:ベスト・ディフェンス」 G.I.Joe Special Missions: Best Defense
──サンフランシスコを発った旅客機が第四インターナショナルのレオン・トロツキー旅団と呼ばれる3人のテロリストにハイジャックされた。彼らはロシアに向かって飛ぶように要求する。
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以上、第41号~第50号ダイジェストでした。
作っておいたコミック関連の記事のストックがそろそろなくなりそうですが、明日も更新の予定です。それでは!