PoC/ロウ-ライト(シティー・ストライク)
PoCの大傑作のひとつです。
Yo Joe! の分類ではロウ-ライトv8 にあたります。
開封直後に、無線機のアンテナと弾薬箱の中のライフル弾を床に落としてしまい、とても小さくて細いパーツだったため、見つけるのに10分ほどかかってしまいました。
Oリング時代の初代ロウ-ライト(1986年)のリメイクにあたります。
GunさんがDTC版のロウ-ライトv6 (2006年)を記事にされています(こちらです)。現在は画像が見られないようなので、ぜひ復活してほしいところですが、現在進行中のオリジナル・ストーリーは彼を中心に物語が動いていくようです(第1話はこちらです)。
ファイルカード(意訳)
No.1108 ロウ-ライト
本名:クーパー・G・マクブライド シリアル・ナンバー:827-48-CG37
階級:E-6(スタッフ・サージャント、二等軍曹)
作戦装備:E.N.V.エンハンスド(拡張)・ナイト・ビジョン・スコープ&サイレンサー付きエンコーダー・ライフル
ロウ-ライトはG.I.ジョー・チームの夜間作戦のエキスパートで、イメージ増幅技術と暗所での戦術を専門とする。子供の頃、彼は暗闇を恐れていたが、あるとき森で道に迷ってしまい、その3週間後、彼は懐中電燈とコンパスを使って上手く帰路を見つけることができた。コブラの倉庫の暗闇の中で、彼はデストロとショック・トルーパーを奇襲するための配置につく。
秘密取扱資格:最高機密(※これはPoCラインのジョー側ファイルの定型文で、このファイルへのアクセス権のレベル表示です)
素体。
ヘッド、下腕は新規造型。
トルソー、ウエスト、脚部はPoCのビーチヘッドv15 から。
上腕はPoCのジャングル-ヴァイパーv3 から。
リストは右手が手刀、左手が平手の方向に可動します。
バストアップ。
渋い表情です。
ワッチ・キャップのリブなども精緻にモールドされています。
ヘッド。
角度によって印象が結構変わりますが、基本的な造型としては、『山猫は眠らない』(1993年)で主人公トーマス・ベケットを演じたトム・ベレンジャーを意識しているのではないでしょうか。
RoCのピット・コマンドー、リップコード(アクセラレーター・スーツ)と比較。
付属品。
左上から、ディスプレイ・スタンド、ライフル・バッグ、無線機、ハンドセット、アンテナ、ゴーグル、ジャケット、大型バックパック、スポッティング・スコープ、トライポッド(三脚)、PDA、アモー・ボックス(弾薬箱)、408シャイタック弾、ナイフ、ウージー、サプレッサー、シャイタックM200インターベンション(装着したまま撮影しましたが、ストックは別パーツとなっています)、ナイトフォース・スコープ、バイポッド(二脚)。
狂ったかのような凄まじいディテールの数々は、細かい付属品が多いPoCラインの中にあっても白眉の内容です! RoCのピット・コマンドーで喜んでいたことが嘘のようです……。
上記からディスプレイ・スタンドを除き、それぞれのギアを組み立てるなどすると以下のようになります。
さらに、上記のうちのゴーグルとナイフはフィギュアのほうに装着し、残りのギアを再び分解してバッグ類に収納すると、以下のようになります。しかもこの2つを合体させることもできます。
ライフル・バッグの中にはライフル本体とスコープを収納します。
スコープはフィギュアの左腿に装着しておくこともできます。
バックパックへの収納は、雨ぶたを閉じた状態で詰め込んでいくようにするのがやりやすかったです。
まずライフルの二脚を入れ、次にスポッティング・スコープ、続いてスポッティング・スコープの三脚という順に入れてみました。
下部に弾薬箱を積め、上にウージーを置いて、PDAは適当に入れます。
本体と雨ぶたをつなぐストラップ状の部分にはサプレッサーを巻き込みます。
最後に無線機(本体、ハンドセット、アンテナ)をサイドに装着して、パッキング完成。
実際にギアを収納できるバックパックとは、素晴らしすぎです!
対物スナイパー・ライフルとウージー。
初代ロウ-ライトにはエンフィールドL1A1が付属していましたが、DTC版のv6 (2006年)ではダネル(メケム)NTW-20 でした。そして今回のモデルは、シャイタックM200インターベンションです。
映画『ザ・シューター/極大射程』(2007年)では、マーク・ウォールバーグ扮する主人公ボブ・リー・スワガーが使用していました。
ファイルカードにはエンコーダー・ライフルとして記載されています。
スコープ、サプレッサー、バイポッド(二脚)、ストックが別パーツとなっていて、ストックは可動します。
ウージーは、25thのスネーク・アイズ(G.I.ジョー・セット#2)に付属したタイプです。
スコープは、ファイルカードにはE.N.V.エンハンスド(拡張)・ナイト・ビジョン・スコープと記載されていますが、実物のシャイタックの標準仕様はナイトフォースNXS 5.5-22Xスコープというものだそうです。
ほかの対物スナイパー・ライフルと比較。
上段はRoCのレコンドのバレットM82A1。
中段が今回のシャイタック。
下段はPoCのスノー・ジョブのライフルです。ずっと同定できずにいましたが、赤鼻のキムさんからコメントいただき、チェコ製の対物スナイパー・ライフルであるZVI(ツビ)ファルコンであることが判明しました!
ジョー・チームが使用しているので、西側向けの12.7×99mm NATO弾(50BMG)仕様のOP99というモデルかと思われます。赤鼻のキムさん、ありがとうございました!
弾丸も比較。
中央は今回のアモー・ボックス(弾薬箱)と、408シャイタック弾。
アモー・ボックスの中央に弾丸をセットしておけるようになっています。ほかの弾丸はモールドのみ。
左の弾帯は、レゾリュートのロードブロックやRoCのリピーターに付属したもの。
右の弾帯は、RoCのロードブロックやPoCのナイト・フォックスに付属する12.7×99mm NATO弾、別名50BMG(50口径ブラウニング・マシン・ガン)です。
無線機とハンドセット、スポッティング・スコープ、PDA。
無線機はおそらくSINCGARS(Single Channel Ground and Airborne Radio System)と呼ばれるコンバット・ネット・ラジオ(CNR)で、PRC-119というタイプのものかと思われます。
スポッティング・スコープは、ブッシュネル社のトロフィー25-50×50mm防水ラバー・アーマード・スポッティングというものがほぼ同じ形をしていました。
設定的には、レーザー・レンジファインダー(距離測定器)かもしれません。
PDAについては、実際のシャイタックはアドバンスド・バリスティック・コンピューター(ABC)という弾道計算ソフトウェアをインストールしたPDAを併用することで、2km先の敵を狙撃できるそうです。
ジャケットを装着していない状態で。
ゴーグルは25thやRoCのファイアーフライや、RoCのレッド・ファング・ニンジャなどに付属したものと基本的に同型です。
右腿にはシースがあり、ナイフを収納しています。
左腿にはライフルのスコープを装着しておくことができます。
ウージーを構えて。
ジャケットを装着していなくても成立するデザインになっているところがいいですね。
ジャケットを着用。
ディテールの精度はPoCならではですが、基本的には初代にかなり忠実な造型となっているのが嬉しいところです。
ナイフ。
ライフル・バッグ、バックパックを背負って。
ライフル・バッグを手に。
ザッ、ザッ……
ドサッ……
ガサゴソ……
取り出したギアを一通り並べると、あっという間にロウ-ライトの仕事場ができあがりました。
ガチャッ……
愛用のシャイタックを大切に取り出します。
カチャカチャ、キュッキュッキュッ……
サプレッサーを装着。
ジャキン、ガシャン!
ライフルの用意が整いました。
ゴーグルをずらしてみました。
無線機で通信中。
無線機は背中に装着することもできます。
ピッ、ピッ、ピッ。
PDAを使って弾道を計測中。
ガチャッ! いよいよライフルを構えました。
このロウ-ライト、本体も付属品もとても格好いいのですが、不満点もふたつほどあります。
袖に厚みがありすぎて、ライフルのストックにかなり干渉してしまいます。せっかく手首も可動するのに、狙撃体勢が思ったほどうまくとれません。
それから、これはPoCのフィギュアの造型に全般的に言えることですが、顔が下向きで、上方向に向けることがほとんどできません。
さすが「決定版を出さない」ハズブロです。
スコープを覗いているようにはなかなかできないんですよね。ほかのフィギュアだったらこんなもんでもいいのですが、このロウ-ライトの場合、腕利きのスナイパーですからね……。
それでも頑張って狙撃シーンをイメージして構えさせてみました。
まずは伏せ撃ち。
上体が浮いてしまいました。
台になるようなものを利用しての狙撃体勢。
ゴーグルを装着させていたほうが、目線がごまかる感じです。
反対側から見ると、全然スコープ覗いてませんが。
RoCのホークに付属したH&K SL8を構えさせてみましたが、やはり右袖が干渉する感じです。
今回のバックパックにはサイドにジョイント穴があるので、SEに荷物を持たせたいときなどに鞘を装着できて便利です。
以上、ロウ-ライトでした。
素晴らしい内容です。欲を言えば、もう少し袖のあたりがあっさりした造型だと、もっとライフルをうまく構えられる気がしました。でもまあ贅沢は言わないでおきましょう。これで充分満足です。
しかしPoC、付属品がこんなに細かいと、例えば10年後とかにコレクターが手に入れようとしたとき、パーツが全部揃っているのを見つけるのがたいへんじゃないかな? などと余計なことまで心配になります。
さて、次回はレディー・ジェイの予定ですが、更新は少し遅れるかもしれません。
それから、joefigの仕事は、今頃から4月半ばまでが一番忙しい時期にあたり、この間どれだけ記事が作れるかわかりません。コンスタントに作れるかもしれないし、もしかしたら思いっきり放置になるかも……。モチベーションはばっちりなんですが!
せっかく覗いていただいたのに、もしもろくに更新されていなかったらごめんなさい!
おまけ劇場
「G.I.ジョー・データ・ファイル」
──夜。某所屋上。
ガチャリ! ギィィィィ………
ザッ……
本名: カタカタカタカタ クーパー・G・マクブライド
ジャキン……
シリアル・ナンバー: カタカタカタカタ 827-48-CG37
カチャ…キュッキュッ、カチャ……
階級: カタカタカタカタ E-6(スタッフ・サージャント)
コードネーム: カタカタ、カタ……
コードネーム: カタ……
カタカタカタカタカタ コードネーム: ストーカー ピーーーッ ERROR
「バロたん……」
おしまい。