RoC/バロネス(アタック・オン・ザ・G.I.ジョー・ピット)
Yo Joe! の分類ではバロネスv13 にあたります。
映画『G.I.ジョー』(2009年)の設定は、コミックとはかなり異なっていました。
管理人joefigは、映画でのバロネスのイメージそのものは良かったと思いますが、あの人格がナノマイトのせいであったように説明されてしまったのは残念です。
通称のBaronessは「男爵夫人」の意で、ダニエル・ドゥコブレイ男爵の妻であることによります。本名はアナステイジア・ドゥコブレイですが、元の名はアナ・ルイスでした。
なお、ドゥコブレイ男爵はフランス人なのでドゥコブレイと読むのが正しいと思いますが、劇中では英語読みでディコブレイと呼称されています。日本語字幕はドゥコブレイになっていました。
コミックでは、マーベル時代の本名はアナステイジア・ディコブレイ (ドゥコブレイ) で、ヨーロッパの貴族の末裔であり、死んだ兄の爵位からバロネス (「女男爵」) と名乗っているようです。
ドゥコブレイという姓は、実在する姓名コブレイ+英語の 「of」 に相当するフランス語やスペイン語の 「De」 でしょう。
Cobray のスペルの中には cobra の文字が含まれているという遊びで、そこに De をつけて、Cobray という領地を有するヨーロッパ貴族、というニュアンスにしたのではないかと思われます。
なお、コブレイという名前としてはイングラムM10 (MAC-10) などの生産を続けている銃器メーカーが知られています。
DDP時代には、ディコブレイという姓は偽名で、本名はアナステイジア・シサロヴナという設定になったようです。
シサロヴナはスラヴ語で 「カエサルの娘」、あるいはカエサルの名が 「皇帝」 という意味でも使用されているため、その女性形として 「女帝」 の意でもあります (ロシア語では 「女帝」 はツァリーツァとなります)。
また、アナステイジア (アナスタシア) という名前にはロシア帝国のロマノフ王朝の最後の皇女の名を思わせるものがあります。
マーベル時代のコミックの設定にれば、福祉活動家であった兄ユージーン (ドイツ語ならオイゲン、ロシア語ならエフゲニー) がベトナムで射殺された際、それがアメリカ軍の若い兵士 (後のスネーク・アイズ) によるものと誤解したアナステイジアは、やがて反米テロ組織に身を投じるようになり、ついにはコブラの情報将校となりました。
過去にマッカラン (デストロ) と親密な関係にあったことが示唆されるほか、後にはジョー側のフリントと恋に落ちるというエピソードもあったようです。
ファイルカード(意訳)
MICナンバー:0501-AD バロネス アナステイジア・ディコブレイ
危険なまでに美しいバロネスは、コブラのマスター・スパイであり、M.A.R.S.(マーズ)インダストリーズの強力な幹部である。彼女は血も通わぬ手際でその計画を実行するが、その冷たく残酷な人格には過去の苦痛に満ちた秘密が隠されている。
指定兵器:M.A.R.S.(マーズ)インダストリーズD57-A極限環境仕様タクティカル・ライフル
映画版では以下のような公式設定があったようです。
コードネーム:バロネス
氏名:アナスターシャ・"アナ"・ドゥコブレイ(※元の名はアナ・ルイス) 職業:テロリスト
ガジェット:
パルス・ガン:人体を破壊するエネルギーパルスを発射する。
コンピューター内蔵アイウェア:コンピューターが内蔵されたディスプレイは戦地で人や事物をスキャンし、分析や身元確認ができる。
プロフィール:
アナは、著名なフランス人粒子加速器研究の物理学者、ダニエル・ドゥコブレイ男爵と結婚して、男爵夫人(バロネス)となった。この結婚は彼女にとって愛や肩書きとは一切関係なく、MARS産業が開発した、ナノマイト・テクノロジーを武器にするため彼を利用するという、バロネスの計画の一部でしかなかった。
バロネスは4年前のある出来事に自身の運命を大きく変えられてしまい、当時とはまるで違う人間になっていた。そしてアナは武器商人のジェームズ・マッカランが企む世界のパワーの均衡を覆すという計画に加わることにした。またバロネスはストームシャドーから集中的な戦闘トレーニングも受けている。
以上、公開時の日本語版宣材をもとに構成してみました。
素体。
全て新規造型。
バストとウエストのパーツのつなぎ目の段差が目立つのが気になります。
ウエストもちょっと細長い気がします。
ヒールのせいでかなり背が高いのですが、もう少し小柄だとよかったと思います。
かなり高いピン・ヒールを履いているため、接地性はよくありません。
バストアップ。
バロネスを演じたシエナ・ミラーがこれを見て怒ったという……。
この写真ではコンピューター内蔵アイウェアを外していますが、あまりいじっていると破損しそうな気が……。
素顔の出来栄えからいっても、着けたままがよさそうです。
ただ、よく見ると造型そのものは決して悪くない気がします。塗装がまずいのでしょう。急角度で吊りあがった眉、上目づかいで爛々とした瞳……。試しにもう1個買ってみて塗装をやり直してみようかな……。
付属品。
左上から、トランスポーテーション・スパイク、大型ミサイル・ランチャー、ナノマイト風ミサイル、ディスプレイ・スタンド、左腿用パルス・ガン、右腿用パルス・ガン、ナノマイト・カプセル、マーズ・インダストリーズ社のブリーフケース。
このほか、前述したようにコンピューター内蔵アイウェアが別パーツになっています。
アイウェアとパルス・ガンを装着。
パルス・ガンは左右の腿に装着させることができます。
2つのパルス・ガンはデザインが異なっています。
これらはRoCのネオヴァイパーなどに付属するパルス・ガンとも別物です。
立て膝。
可動はなかなか良好です。
ブリーフケースを手にして。
ブリーフケースの蓋には、白地に赤くマーズ・インダストリーズ社のロゴがあります。
中にはナノマイト・カプセルが収納可能。
このバロネスには1本しか付きませんが、他のフィギュアのものを集めて最大4個まで収納できます。
劇中の描写では各弾頭には700万のナノマイトが含まれており、その開発には10年の歳月と130億ユーロがかかったそうです。ブリーフケースにはトラッキング・ビーコンが仕込まれていました。
無駄にデカいミサイル・ランチャーはどうでもいい付属品ですが、ミサイル自体は、造型も塗装もちょっといい感じです。
ミサイル発射ギミックのあるビークルにセットすれば、驚異的な大型ナノマイト・ランチャーが出現するでしょう。
トランスポーテーション・スパイク。
コブラ・ガンシップに搭載された、地上の兵士を回収するための装備です。
ストーム・シャドウ(パリ・パスート)と。
コブラ陣営のフィギュアと。
他のフィギュアと比べるとやはりバロネスのほうが背が高いです。
背が高すぎる、細すぎる、素顔が残念、などいくつか問題点はありますが、管理人joefigは、G.I.ジョー・シリーズのこれまでの女性フィギュアと比較して、映画版の女性キャラの造型はずいぶん健闘していると思います。
おまけ。
可動が良好なので、ついついもう少しポーズをつけてみたくなりました。
題して、「ライズ・オブ・コブラ」。
「……コブラ!」
「コ~ブラ~!!」
「コ~~~ブラ~~~!!!!」
おしまい。