ブログトップ

The Pit

joefig.exblog.jp

ハズブロ社の 「G.I. ジョー」 に関するランダムな記事のブログです。

資料/G.I.ジェーンの起源

 今回は、以前記事にした 「G.I.ジョーの起源」 の姉妹編として、「G.I.ジェーン」 について記事にしたいと思います。

 画像はスタンホールから刊行された 『G.I.ジェーン』 第1号 (1953年5月)の表紙です。 ネットで拾いました。
d0164702_19144798.jpg

 脚に階級章をつけたジェーン。
ジェーン  「わかってるわ……でもわたしの袖なんて誰が見るの?」



-------------------------------------------------------------------------------------
前史 (1953年まで)


 第二次世界大戦の頃までにアメリカ兵を指す俗語として 「G.I.」 という言葉が生まれ、そこからさらに 「G.I.ジョー」 という呼称が誕生したことは前述の 「G.I.ジョーの起源」 で触れました。

 「G.I.ジョー」 はいくつかの作品名やキャラクター名に使われました。

 1942年6月 『YANK(ヤンク)、アーミー・ウィークリー』 創刊号でデイヴ・ブレガーが 『GI ジョー』 の連載開始
 1943年 イタリアで軍鳩G.I.ジョーが活躍
 1944年頃 ユニーク・アート・マニュファクチャリング社が 「G.I.ジョー」 の名を冠したブリキ製の兵隊人形を発売
 1945年 映画 『G・I・ジョウ』 (『ストーリー・オブ・G.I.ジョー』) アメリカで公開 
 1950年 ジフ-デイヴィス社がコミック 『G.I.ジョー』 (全51号) を刊行開始
 1952年 ナショナル・ペリオディカル出版社がコミック 『G.I.コンバット』 を刊行開始

-------------------------------------------------------------------------------------
スタンホールの 『G.I.ジェーン』


 アメリカ兵の俗称がG.I.ジョーであるなら、婦人陸軍部隊 (ウイメンズ・アーミー・コー/WAC<ワック>) の婦人兵を 「ジョー」 と同じ頭文字の 「ジェーン」 の名で呼ぶようになったのも自然の流れでしょう。

 1953年5月、スタンホールStanhall という出版社から 『G.I.ジェーン』 “G.I.Jane” というタイトルのコミックが発行されたようです。
 ネット上で見た限りでは、1955年5月までに隔月で全11号が刊行されたものと思われます。
 スタンホールという出版社自体、1951年から1955年までの数点のコミックしかネット上で見つからないので、おそらくは短命に終わったのでしょう。
d0164702_1946404.jpg

 主人公はWAC のジェーン・ワーリーJane Whirleyで、他にトム・ウィルスTom Wills というレギュラーキャラクターがいた模様。 また、ピート・ピーターソンという人物が主人公の 『P.X.ピート』 というコミックも掲載されていたようです。

 それ以上に詳しいことはわかりませんでした。

-------------------------------------------------------------------------------------
G.I.ナース・アクション・ガール


 1964年、ハズブロ社が全高約12インチのアクション・フィギュア 「G.I.ジョー:アメリカズ・ムーバブル・ファイティング・マン」 を発売。

 1967年、G.I.ジョー初の女性フィギュアが発売されました。

G.I.ナース・アクション・ガール (1967年)/G.I.ジョー
d0164702_20112612.jpg

 よく見ると 「アメリカズ・ムーバブル・アクション・ガール」 と表示されています。 最初のリリースではショルダー・バッグの色が白、後期がグリーンだったみたいです。
 通称アクション・ナース、G.I.ジェーンとも呼ばれますが、パッケージ画像を見る限りでは商品名にはG.I.ジェーンという名称は使われていないようです。

-------------------------------------------------------------------------------------
ARAH


 アクション・フィギュア 「G.I.ジョー」 は、1982年にサイズを3.75インチに変更、正義のG.I.ジョー・チームと悪のテロ組織コブラの戦いという世界観を導入した 「G.I.ジョー:リアル・アメリカン・ヒーロー」 のトイラインを開始、加えてトイの発売とほぼ同時にマーベル・コミックやサンボウ製作のアニメも展開しました。

 このラインでは展開の当初から女性フィギュアが含まれており、スカーレット (1982年)、カバー・ガール (1983年)、バロネス (1984年)、レディー・ジェイ (1985年)、ザラーナ (1986年)、ジンクス (1987年) と当初は年に1体のペースで女性キャラクターが登場していきましたが、彼女たちが 「G.I.ジェーン」 と呼ばれることは特にありませんでした。


 マーベル・コミック 『G.I.ジョー:ARAH』 第25号 「ザルタン!」 では、G.I.ジョー・チームの輸送船 「G.I.ジェーン」 が登場。 いくつかのエピソードで活躍した後、この船は第36号 「海上のすべての船!」 にて撃沈されてしまいました。

 
 G.I.ジョー誕生 (12インチ時代から通算して) 25周年記念号にあたる 第86号 「…消えることなく!」 (1989年5月) において、元祖G.I.ジョーとG.I.ジェーンが登場しました。
d0164702_21551911.jpg

 政府の秘密機関がニューヨークの高層ビル内に秘密裏に設置していた兵器ラピッド-パルス・エレクトロン・ビームがコブラに襲撃された際、その保安責任者であるジョーと計画主任のジェーンが登場。

 物語の最後に、彼らこそは元祖G.I.ジョーとG.I.ジェーンであり、元看護婦のジェーンは大学に戻って物理学の博士号を取得したとの説明がありました。

 G.I.ジョーとG.I.ジェーンは第127号にも登場しています。 また、第152号ではG.I.ジョーの本名がジョセフ・コルトンであることが判明しました。

-------------------------------------------------------------------------------------
映画 『G.I.ジェーン』


 1997年、リドリー・スコット監督、デミ・ムーア主演の映画 『G.I.ジェーン』 “G.I.Jane” が公開されました。
 タイトルになっている 「G.I.ジェーン」 はハズブロのフィギュアとは関係なく、劇中でマスコミが主人公のジョーダン・オニール大尉に対して用いた表現から。
d0164702_20405757.jpg

──アメリカ海軍情報局のジョーダン・オニール大尉 (演:デミ・ムーア) は、男女差別雇用撤廃法案を唱えるテキサス出身のリリアン・デヘイヴン上院議員 (演:アン・バンクロフト) の要請で、海軍特殊部隊SEALs の12週間に及ぶ過酷な訓練プログラムに挑むことになる。 しかし、そこで待ち受けていたのはジョン・ジェームズ・ウルゲイル曹長 (ヴィゴ・モーテンセン) ら訓練教官の壮絶なしごきと、女性に対する訓練生たちからの蔑視だった──。
d0164702_213885.jpg

 デミ・ムーアはジョエル・シュマッカー監督 『セント・エルモス・ファイアー』 (1985年) で注目され、1987年に俳優ブルース・ウィリスと結婚しています (デミは再婚) 。
 『ゴースト/ニューヨークの幻』 (1990年) で人気は絶頂に達しましたが、1996年の 『陪審員』 と 『素顔のままで』 ではゴールデンラズベリー賞 (通称ラジー賞) の最低主演女優賞を受賞 (後者では共演のバート・レイノルズと共に最低スクリーンカップル賞も受賞)、続いて翌年 『G.I.ジェーン』 でもラジー賞最低主演女優賞を受賞して二冠を達成してしまいました。
 ブルース・ウイリスとは、間に3人の娘をもうけた後に2000年に離婚。
 2003年、『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』 では悪役マディソン・リーを演じるために全身整形など2,600万ドル以上を投じ、結果、ラジー賞最低助演女優賞を受賞。
 2005年、16歳年下の俳優アシュトン・カッチャーと結婚。 カッチャーとは2011年に破局が報じられています。


 今となっては、デミの別れた亭主が 『G.I.ジョー/バック2 リベンジ』 において元祖G.I.ジョーことジョー・コルトンを演じているのですから奇妙な縁ですね。 元夫婦のG.I.ジョーとG.I.ジェーン。 ヘアスタイルもスキンヘッドでお揃いです。


 デミさんの話題、まだ終わりません。

 実はデミさん、マテルの 「バービー」 の熱狂的なコレクターとしても知られており、レア物を多数含む数千体のバービーを所有しているそうです。
 彼女がハービーを集め出したのはブルース・ウィリスと結婚していた頃からで、コレクションには150万ポンド (約2億3,700万円) の保険をかけ、アイダホ州ヘイリーという田舎町に特製のドール・ハウスを建てて保管しており、2003年頃にはプロデューサーとして 『バービー』 の実写映画化も狙っていたそうです。 そのコレクションの中にはG.I.ジョーや日本のリカちゃん人形もあるとのこと。
 デミと結婚したアシュトン・カッチャーはこのコレクションの分類の手伝いをさせられて以来、人形たちを気味悪がっていたらしいです。


 ところで、デミ・ムーアの写真を表紙にした 『ボディー・ペインティング』 という写真集で有名なジョアン・ゲイアーというメーキャップ・アーティスト兼ボディー・ペインターがいるのですが……
d0164702_14135220.jpg


 ジョアン・ゲイアーにボディー・ペインティングを施されて 「バービー」 になりきったデミ。 くわっ!
d0164702_1452947.jpg

 撮影はマシュー・ロルストン、1995年。

 これじゃアシュトン・カッチャーに気味悪がられても致し方なし。

-------------------------------------------------------------------------------------
クラシック・コレクション


 1997年、12インチの 「G.I.ジョー・クラシック・コレクション」 から、12インチとしては2番目の女性フィギュアが発売されました。

G.I.ジェーン アメリカ陸軍ヘリコプター・パイロット (1997年)/G.I.ジョー・クラシック・コレクション
 白人の素体に金髪、栗毛、黒髪、赤毛、そしてアフリカ系の素体というバリエーションがあったようです。
d0164702_2035529.jpg

 なお、上のフィギュアと同年の1997年に、ARAH のキャラクターを12インチで発売していた 「G.I.ジョー:ホール・オブ・フェーム」 のラインからも女性素体の 「レディー・ジェイ」 がコンベンション限定で発売されていますが、こちらはイギリスで展開していた 「アクション・マン」 (この時期はハズブロが発売) のナタリー (1996年) の素体を使用していた模様です。 余談ですがこのナタリー・プールというキャラクターも後にG.I.ジョーになっています。


 クラシック・コレクションのG.I.ジェーンは、ほかに少なくとも2回発売されていたようです。
 ヘリコプター・パイロット同様、それぞれ髪の色と肌の色のバリエーションがありました。

アメリカ第82空挺師団 (1998年)/G.I.ジョー・クラシック・コレクション
 ボックスからは 「G.I.ジェーン」 の表記はなくなりました。
d0164702_014266.jpg

ベトナム・ナース (1999年)/G.I.ジョー・クラシック・コレクション
 胸のネーム・タグには 「G.I.ジョー」 と書いてあります。
d0164702_0166100.jpg


-------------------------------------------------------------------------------------
アドベンチャー・チーム


 12インチの 「G.I.ジョー・アドベンチャー・チーム」 のラインから2003年に発売された 「シークレット・オブ・ザ・サヴェッジ・スワンプ」 は素体に5種類のバリエーションがあり、その中の1体が金髪の白人女性でした。

シークレット・オブ・ザ・サヴェッジ・スワンプ (2003年)/G.I.ジョー・アドベンチャー・チーム
d0164702_0433499.jpg

d0164702_044266.jpg

-------------------------------------------------------------------------------------
DTC


 2006年にダイレクトto コンシューマー (DTC) の販売形態で発売された6体セットにおいて、3.75インチとして初めてG.I.ジェーンのフィギュアが発売されました。

ヴァイパー・ロックダウン (2006年)/DTC (6パック)
 G.I. ジョーv2、G.I.ジェーン、インテロゲーターv3、コブラ・ヴァイパー・ガード×3 のセット。
d0164702_2151030.jpg

 ボックス裏の説明。
d0164702_2561089.jpg

ヴァイパー・ロックダウン
※lockdown は刑務所内で暴動が発生した際などにそれを鎮圧するため囚人を独房に監禁することを指すようです。
 コブラ軍がG.I.ジョーとG.I.ジェーンを誘拐し、G.I.ジョー・チームは彼らを救うために全力を挙げての攻撃を開始する! 元兵士である2人の科学者は何年もの間秘密裏に、高度に先進的な戦略防衛システムのために働いてきた。 コブラは世界中の政府を脅かすために自分たちのシステムを造るべくその技術を手に入れようとしている。 コブラ・ヴァイパー・ガードが警備する地下房に拘留され囚人となったG.I.ジョー・チームの創設者とその主任科学者は、無慈悲なコブラ・インテロゲーターから尋問を受けている。 救出チームの到着まで、彼らは捕獲者に抵抗しなければならない!


 上記セットのうち、特にG.I.ジェーンについてを以下に記します。

G.I.ジェーン (2006年)/DTC (ヴァイパー・ロックダウン)
素体:
   ヘッドは新規造型。
   ボディーはVvV のボムストライクv1 (2005年) から。
付属品:
   バトル・スタンドのほか、
   アサルトライフルはサージェント・ハッカーから。
   ピストル (※コルト M1911 ガバメント) はビーチヘッドv5 から。
   ナイフはARAH のロウ-ライトv3 から。
ファイル・カード:
コードネーム:G.I.ジェーン  物理学者
ファイル名:ジェーン・アン・マーテル  認識番号:413-51-AM61  階級:E-5(※サージェント、三等軍曹)
主要軍事特技区分:素粒子物理学
第二軍事特技区分:従軍看護師
出身地:ロードアイランド州カンバーランド

 G.I.ジェーンは従軍看護師を装った軍の工作員だった。彼女は世界を股にかけた任務の中で、その医療技術と戦略防衛技術における科学的専門知識を提供してきた。G.I.ジョーはその秘密チームを組織した時、彼女に看護師としての公的なカバーを維持させたまま科学的専門家として召集した。彼女は最終的には物理学の博士号を得るために軍を“去り”;現役名簿から消えたが、実は秘密任務に移っていたのだ。G.I.ジョーはチームを“引退”して秘密軍事防衛施設の責任者となったとき、主任科学者としてG.I.ジェーンをチームに引き入れた。彼女は高エネルギー素粒子物理学の仕事を通して、グローバルな防衛構想に用いられるラピッド-パルス・エレクトロン・ビームの開発に尽力した。
 「コブラと戦うためにはあらゆる種類の兵士が必要よ。私は科学技術の開発によって彼らと戦うわ。 もちろん私がコブラの悪党たちに捕まったときはM16 を私に投げて、そして私を止めないでちょうだい」


 このファイルカードの中で、ついにG.I. ジェーンの本名や出身地、階級などが明らかにされました。
 アン・マーテルはハズブロのトイのパッケージングに関わるコピーライターの名からとられています。
 出身地とされたロードアイランド州はハズブロの本社がある州で、G.I.ジョー (ジョセフ・コルトン) の出身地もロードアイランド州セントラルフォールズとされています。
 文の内容は 『G.I.ジョー:ARAH』 第86号 「…消えることなく!」 での設定が基にされています。

-------------------------------------------------------------------------------------
シャッタード・グラス


 アメリカの公式トランスフォーマーファンクラブTFFC が2008年から開始した、善悪が逆転した世界を描く 『トランスフォーマー シャッタード・グラス』 では、ジョー・コルトン大統領とファーストレディーのジェーン・コルトンが登場している模様です。

-------------------------------------------------------------------------------------

 以上、G.I.ジェーンの起源でした。
 かつて 「G.I.ジェーン」 というコミックがあったというのは意外でした。

 さて、次回はあの有名なU.S.S.フラッグについて記事にしてみたいと思います。 それでは!
[PR]
by joefig | 2013-04-06 22:00 | 資料 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://joefig.exblog.jp/tb/18483748
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。