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The Pit

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ハズブロ社の 「G.I. ジョー」 に関するランダムな記事のブログです。

映画 『G・I・ジョウ』 (『ストーリー・オブ・G.I.ジョー』)

 昨年は公開が延期される事態となった映画 『G.I.ジョー バック2 リベンジ』 ですが、アメリカではようやく公開されるや絶好調の滑り出しのようですね。 日本での公開は6月8日。 楽しみです。

 さて今回は、トイのG.I.ジョーの名称の直接の元となった古いモノクロ映画、『G・I・ジョウ』 “The Story of G.I. Joe” (1945年) について記事にしたいと思います。
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──第二次世界大戦中の北アフリカ。 一人の従軍記者がある中隊に加わり、厳しい前線の様子と無名の兵士たちの心情を見つめることになる。 やがて舞台はイタリア戦線に移り、中隊はモンテ・カッシーノの戦いのさなかにあった──。



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 タイトルにあるG.I.Joe は、今となってはハズブロのアクション・フィギュアのブランド名として有名ですが、元はアメリカ兵を現す俗語でした。 その語源については、当ブログで 「G.I.ジョーの起源」 として記事にしています。

 ハズブロが1964年8月に発売したアクション・フィギュア 「G.I.ジョー」 の名称は、商品開発中にたまたまTVで放映されていたこの映画を観たスタッフにより採用されたものだと言われています。
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 日本では1953年に 『G・I・ジョウ』 のタイトルで公開され、ずっと後にビデオソフト化された際に 『G.I.ジョー』 に改題されています。
 下はDVD 版 『G・I・ジョー』。
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 第二次世界大戦時、アメリカ軍の北アフリカ戦線やイタリア戦線といった前線で戦う兵士たちの郷愁と苦悩に満ちたリアルな様子を、従軍記者の視点から描いたドキュメンタリータッチの戦争映画。

 主人公である従軍記者アーニー・パイルは実在の人物で、前線で続けた取材により1944年にピューリッツァー賞を受賞しており、そのことは劇中でも語られています。
 本作はそのアーニー・パイルの著書 “Brave Men” (邦訳 『勇敢な人々─ヨーロッパ戦線のアーニー・パイル』;ハヤカワ・ライブラリ;1969年) や “Here is your war” (「ここに君たちの戦いがある」;おそらく邦訳は 『これが戦争だ─兵隊ジョー』;養徳社;1951年) をベースとしています。


 1960年代のTVシリーズ 『コンバット!』 と共に人気があった 『ギャラント・メン』 はやはりアーニー・パイルをモデルにした従軍記者の視点から描かれる戦争もので、劇中で本作の戦闘シーンの映像も使われているそうです。

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データ及びスタッフ


データ
   製作国:アメリカ
   公開:1945年(アメリカ)  1953年(日本)
   上映時間:109分
   製作会社: レスター・コーワン映画
   配給:ユナイテッド・アーティスツ

スタッフ
   監督:ウィリアム・A・ウェルマン
※栄えある第1回アカデミー賞において最優秀作品賞を受賞した 『つばさ』 “Wings” (1927年) の監督です。 第一次大戦ではパイロットとして従軍。 あだ名は “ワイルド・ビル”。 なお、本作には夫人のドロシーが看護中尉 “レッド” 役で出演しています。
   原作:アーニー・パイル
   脚色:レオポルド・アトラス  ガイ・エンドア  フィリップ・スティーヴンソン
   撮影:ラッセル・メティ
   美術:ジェームズ・サリヴァン  エドワード・G・ボイル
   音楽監修:ルイス・アップルボーム  アン・ロネル
   音楽監督:ルイス・フォーブス
   録音:フランク・マクフォーター
   編集監督:オソー・ラヴァリング  アルベルト・ジョセフ
   アソシエイト・プロデューサー:デイヴィッド・ホール

その他
 1945年の第18回アカデミー賞で、以下の部門でノミネート。
   助演男優賞:ロバート・ミッチャム
   脚色賞:フィリップ・スティーヴンソン、レオポルド・アトラス、ガイ・エンドア
   劇・喜劇映画音楽賞:ルイス・アップルボーム、アン・ロネル
   歌曲賞:アン・ロネル (作詞・作曲) 『リンダ』 "Linda"
 2009年にアメリカ国立フィルム登録簿に登録。

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登場人物


 アメリカ陸軍
   ドワイト・D・アイゼンハワー将軍
  第1師団第18歩兵連隊第1大隊
   ハント中佐  ロバート大尉  ラフル大尉  フリーアス三等軍曹  ストローベル
   アーニー・バイル (演:バージェス・メレディス)
  C 中隊
   ビル・ウォーカー中尉 (後に大尉) (演:ロバート・ミッチャム)
   ジョセフ中尉
   スティーヴ・ウォーニッキ軍曹 (演:フレディ・スティール)
   ドンダーロ二等兵 (演:ウォーリー・カッセル)
   スペンサー二等兵 (演:ジミー・ロイド)
   ロバート・“羽なし”・マーフィー二等兵 (演:ジャック・レイリー)
   チャールズ・ミュー二等兵 (演:ウィリアム・マーフィー)
   エリザベス・“レッド”・マーフィー看護中尉 (演:ドロシー・クーナン・ウェルマン)
   ロペス二等兵 (演:ティト・レナルド)  
   クーキー・ヘンダーソン二等兵 (最初の戦死者)
   トエントレン
  D 中隊
   ホートン大尉
※このほか、将校や一般兵の役で実際の復員兵が、またAP やUP の本物の従軍記者たちがエキストラとして多数出演しており、一部はその後各地の前線に赴いて戦死したそうです。
 
 ドイツ軍
   ドイツ兵

 その他
   “アクシズ・サリー”(声:シェリー・ミッチェル)
   アメリア (演:ヨランダ・ラッカ)   
   ボブ・ホープ (演:本人。コメディアン。 ラジオ番組に声のみ登場)

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登場ビークル


 アメリカ陸軍
   軍用トラック (シボレーG506シリーズ風。ただし6輪)
   M4シャーマン中戦車  M5スチュアートⅣ軽戦車  M10 GMC ウルヴァリン駆逐戦車
   爆撃機

 ドイツ軍
   戦闘機

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詳細


 第二次世界大戦の激戦地・北アフリカ戦線でチェ二ジアに展開するアメリカ陸軍第1師団第18歩兵連隊第1大隊。
 中年の従軍記者アーニー・パイル (バージェス・メレディス) は前線への同行を希望し、ウォーカー中尉 (ロバート・ミッチャム) の指揮するC中隊 (散兵中隊、護衛兵団) と行動を共にすることになった。
 ウォーカー中尉は経験豊富であるが、C中隊の新兵たちはまだ前線での経験が浅く、戦闘に参加する実感が薄かった。

 その夜の幕営地。
 “ 羽なし ”・マーフィー二等兵は、身長のために空軍から排除されたことについて仲間に不満を漏らしている。
 ラジオからは、ドイツ側の放送局ラジオ・ベルリンの “アクシズ・サリー” が甘い声で 『リンダ』 を歌い、アメリカ兵に向かってドイツに降参せよと言葉巧みに呼びかけていた。

 やがて夜は明け、兵士たちはトラックで前線へと向かう。
 夕闇が迫る頃、次第に戦場に近づいたトラックをドイツ軍機が襲撃し、砲弾が炸裂する中、若い兵士ヘンダーソンが中隊での最初の戦死者となり、彼らは茫然となる。
 間もなく部隊はトラックを捨てて徒歩で進軍することになり、訓練を受けておらずろくな装備もない43歳のアーニーも、兵士たちについていくことに決める。

 中隊はドイツ軍と対峙する最前線に到達し、カッセリネの峠をめぐる激しい戦闘の中、第18連隊第1大隊はドイツ軍の攻撃から陣地を守る。
 しかし、経験不足のアメリカ軍に対し、歴戦のドイツ軍と戦車部隊は圧倒的な強さで攻め入り、第1大隊は甚大な被害を受ける。
 大隊本部に飛び込んできたウォーニッキ軍曹は戦車隊が全滅してドイツ軍が前線を突破したことを報告し、ハント中佐は各隊に撤退を命じる。 米軍の損害は甚大に及び、兵士たちは敗戦に意気消沈する。


 その後、アーニーはしばらく他の戦場にいたが、第18連隊C 中隊はイタリア戦線に転属し、シシリア・サレルノ上陸戦を行っていた。サン・ヴィットリオの攻撃に参加している。
 再びアーニーは大尉となったウォーカーと行動を共にすることになる。 中隊は歴戦を重ね、兵士も入れ替わったが屈強な部隊になっていた。

 ウォーニッキ軍曹は本国から息子の声が入ったレコードを受け取るが、蓄音器がなく声を聞くことができない。
 ミュー二等兵は死亡保険に入るが受取人の身内がいないため、仲間の名前を受取人に書いていく。
 マーフィー二等兵は看護中尉のエリザベス (“レッド”) と戦場で結婚式をあげる。
 ドンダーロ二等兵は、銃弾を避けて壊れかけた料理店の中に飛び込んだときに美しい娘アメリアと出会い、彼女と恋仲になっていく。

 カッシーノ戦線に強力なグスタフラインを構築したドイツ軍。
 C中隊はモンテ・カッシーノの山上の修道院に向かうが、敵の砲撃に会う。修道院はドイツ軍砲兵の観測所となっていたのだ。
 ウォーカー大尉は砲兵隊に修道院の砲撃を要請するが、カトリックの信仰心のため砲撃は拒否される。
 修道院が歴史的建物のため、軍上層部は何とか破壊を避けようとするが、その間に歩兵部隊にはどんどん死者が増えていく。

 C中隊は歩兵による偵察活動を余儀なくされ、457高地で小火器、793高地に迫撃砲の存在を確認したものの、修道院に隠れた敵の攻撃で仲間が次々と戦死していく。 消耗する隊に補充兵がやってきた。

 ウォーニッキ軍曹らは極度の疲労や悪天候にも関わらず偵察を繰り返すが、ついにマーフィー二等兵も戦死してしまう。

 アーニーはその戦場ルポルタージュによってピューリッツアー賞を受賞した。

 クリスマスになり隊は七面鳥で祝うが、本部からはドイツ兵捕虜の確保が命じられる。ウォーカー大尉は自ら偵察に出かけ、ようやく一人の捕虜を連れ帰る。

 大尉は多くの部下を失ったことに苦悩し、アーニーがそれを慰める。 ドンダーロは隊を抜け出してアメリアのもとへ通おうとするところを見つかり、ウォーカー大尉から便所掘りを命じられる。

 アイゼンハワー将軍の決断により、カッシーノの修道院への空爆がようやく行われる。
 しかし、空爆後の廃墟はドイツ軍の要塞と化し、戦闘はさらなる膠着状態となって冬を迎える。

 ある日、偵察から帰ったウォーニッキ軍曹はいつものように壊れた蓄音器にレコードをかけるが、ついに幼い息子の声を聞くことができた。 ところがその声を聞くや、軍曹の疲弊した精神状態が崩壊し、錯乱してしまう。

 その後の戦闘ではついに勝利を得るが、犠牲も多く、兵士たちの亡骸が次々とロバに乗せられ運ばれてくる。 そしてその戦死者の中には、ウォーカー大尉の姿もあった。
 パイルとC中隊の兵士たちは声もなくロバの隊列をただ見守り、戦友と指揮官に別れを告げ、無言のまま新たな前線へと出発するのであった。

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ハズブロのG.I.ジョー・フィギュアとの関連


 そもそもこの映画のタイトルがハズブロのアクション・フィギュア 「G.I.ジョー」 の元となったほか、以下の出演者・登場人物たちは、後にG.I.ジョー・フィギュアと何らかの関係を持つことになりました。



アーネスト・テーラー・" アーニー "・パイル  Ernest Taylor "Ernie" Pyle
 1900年8月3日~1945年4月18日。 ピューリッツァー賞を受賞したアメリカのジャーナリスト・従軍記者。
 本作の原作者で監修・助言もしているが、完成を待たずに沖縄の伊江島で日本兵に狙撃されて戦死。
※戦後、GHQ が東京宝塚劇場を接収した際、アメリカ軍の強い要望により 「アーニー・パイル劇場」 と名付けるなど、日本とも縁がある人物です。 『ウルトラセブン』 でウルトラ警備隊のキリヤマ隊長を演じた中山昭二はアーニー・パイル舞踏団出身だそうです。
G.I. ジョーとの関連:
・ 前述の通り、著書を映画化した 『ストーリー・オブ G.I. ジョー』 のタイトルはハズブロのアクション・フィギュア 「G.I. ジョー」 のネーミングにつながった。
・ 以下のフィギュアが発売された。

アーニー・パイル (2002年)/ブラボー (D-デイ・コレクション)
d0164702_13072712.jpg Ernie Pyle  (#81783/81565)  ボックスの記載は2001年。
 第二次大戦時の従軍記者。 『ストーリー・オブ G.I. ジョー』 の著者。
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素体:
   ヘッドは新規造型。
   ボディーはスーパーアーティキュレーテッド+ガン・ホー・グリップ。
付属品:
   ドッグ・タグ
   フィールド・ジャケット    トラウザー    ブーツ×左右
   ユーティリティー・キャップ    スカーフ    ウェブ・ベルト
   M1 ヘルメット    ゴーグル

   個人使用 M-1910

   キャンティーン    イントレンチング・ツール
   ベンチ    タイプライター    新聞 (「The News」 のタイトル)    キャンプ・ストーブ
説明文:
※未訳。




オリバー・バージェス・メレディス  Oliver Burgess Meredith (本名)
バージェス・メレディス  Burgess Meredith

 1908年11月6日~1997年9月9日。 アメリカの俳優。
 本作では原作者である従軍記者アーニー・パイル役で主演。
 60年代のTVシリーズ 『怪鳥人間バットマン』 ではペンギンを演じ、映画 『ロッキー』 (1976年~) シリーズでは主人公ロッキー・バルボア (シルヴェスター・スタローン) のトレーナーのミッキー・ゴールドミルを演じて有名。
※ロッキー・バルボアとG.I.ジョーの関係は当ブログのこちらの記事を参照。
G.I. ジョーとの関連:
・ サンボウの 『劇場版 G.I.ジョー』 (1987年) でコブラ-ラの支配者ゴロビュラスの声を担当している。




レスリー・タウンゼント・ホープ  Leslie Townsent Hope   (本名)
ボブ・ホープ  Bob Hope

 1903年5月29日~2003年7月27日。 イギリス生まれのアメリカのコメディアン。
 第二次世界大戦から湾岸戦争にかけて60年間におよそ60回に及ぶ軍人慰問活動を行なった。
 本作ではラジオ番組の本人役で声のみ出演。
G.I. ジョーとの関連:
・ DIC 版アニメ 『G.I.ジョー:ARAH』 第17話 「ザッツ・エンターテインメント」(1990年10月18日) に登場した喜劇俳優ジャッキー・ラブはボブ・ホープがモデル。
・ 以下のフィギュアが発売された。

ボブ・ホープ (1998年)/クラシック・コレクション

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ドワイト・デイヴィッド・アイゼンハワー  Dwight David Eisenhower
 1890年10月14日~1969年3月28日。第二次世界大戦で連合軍の最高司令官。 アメリカ第34代大統領 (在任1953~1961年)。 最終階級は陸軍元帥。
 本作ではドイツ軍が籠ったイタリア修道院の空爆を決定した将軍として名前が登場。 本作を鑑賞したアイゼンハワーはこれを絶賛したとのこと。
G.I. ジョーとの関連:
・ 以下のフィギュアが発売された (陸軍元帥として)。

ジェネラル・ドワイト・D・アイゼンハワー (1997年)/クラシック・コレクション (ヒストリカル・コマンダーズ・エディション)
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 以上、映画 『G・I・ジョウ』 でした。
 ここまで書いておいてなんですが、実はjoefig 、この映画は海外サイト上で部分的にしか視聴できていません。 きちんと観ていないのにダイジェストを記事にするなんて無謀ですが、まあこのブログはあくまでG.I.ジョーのトイの記事がメインということで大目に見てやってください。
 さて、次回は何にするかまだ未定ですが、更新までは少しだけ間が空くかもしれません。 それでは!
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by joefig | 2013-04-02 00:30 | 資料 | Trackback | Comments(0)
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