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The Pit

joefig.exblog.jp

ハズブロ社の 「G.I. ジョー」 に関するランダムな記事のブログです。

設定探訪/ヘクター・ラミレス

今週は何かと用事が控えていて、フィギュアのレビューになかなか気が向かないjoefigです。
明日から日曜まで出かけてしまうため、ちゃんとレビューを再開するのは来週後半あたりからにします!
記事に対するコメントをいただいた際にも、日曜の夜まではたぶんレスできません。

今回は、前回の記事を作っていたときになんとなく浮上してきたクロスオーバー・キャラクターについて記事にしたいと思います。ヒゲのTVニュースリポーター、ヘクター・ラミレスです。
設定探訪/ヘクター・ラミレス_d0164702_4145599.jpg

上の画像はコブラ・コマンダーの自慢話にうんざり気味のヘクター (Twenty Questions より)。
重要度でいうとかなりどうでもいい部類のキャラクターなのですが、joefig、妙に気になってしまい、面倒くさいところをあえて調べてみました。



このオッサン、脚本家のバズ・ディクソンが作ったただのゲスト・キャラクターなのですが、『G.I.ジョー:ARAH』 に始まって、『トランスフォーマー』、『インヒューマノイド』、『ジェム』 に顔を出し、最終的にはG.I.ジョーのコミックの中で爆死、そしてその親族が 『トランスフォーマー・アニメイテッド』 に登場……と、本来の役割とは別のところで妙な存在感を発揮していたため、ひとつ記事を作ってまとめてみました。

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ヘクター・ラミレス  Hector Ramirez
 サンボウのアニメ 『G.I.ジョー:ARAH』 に登場して以来、サンボウの多数のアニメに登場したキャラクター。
 モデルは扇情主義的なニュース番組司会者のヘラルド・リヴェラ。
 ヘクターがホストを務めるニュース番組 『20の疑問』 も、ABCの番組 『20/20』 がモデル。
 アニメから約20年が経過した後、彼はDDP版 『G.I.ジョー:フロント・ライン』 第12号でコミックにも初登場した。
サンボウ版アニメ 『G.I.ジョー:ARAH』
 TVニュース・マガジン 『20の疑問』 のホストを務め、エミー賞やピューリッツァー賞の名を口にすることもある野心家の記者。声はニール・ロス Neil Ross。
   第23話 「20の疑問」 Twenty Questions (1985年10月2日)
      (日本版の第25話 「ロッキー山脈の戦い」)
   第57話 「裏切り者 パート2」 The Traitor, Part II (1985年11月26日)
   第73話 「モンタナを撃沈せよ」 Sink the Montana
   第92話 「わずかな可能性もなし」 Not a Ghost of a Chance (1986年11月13日)
   第93話 「父祖の因果」 Sins of Our Fathers (1986年11月18日)
の計5話に登場 (話数についてはYo Joe! の記述に従いました)。
設定探訪/ヘクター・ラミレス_d0164702_4122767.jpg ヘクターは、G.I.ジョーの存在に批判的なプロデューサーのアーノルドやカメラマンのトムと共にG.I.ジョー・へッドクォーターズの突撃取材を敢行。シップレックに同行してロッキー山脈のコブラの化学兵器工場の調査に向かうことになるが、待ち伏せにあった彼らはコブラの捕虜となってしまう。実はアーノルドはバロネスの変装であり、批判的な報道の目的はG.I.ジョーの士気をくじくことにあった。あわや処刑される寸前、ヘクターはコブラ・コマンダーにインタビューを申し込んで時間を稼ぎ、その間にG.I.ジョー・チームの救援が到着。双方の勢力が笑いガスを吸入するというアクシデントに見舞われつつも、シップレックやヘクターたちは無事救出された (「20の疑問」)。
※このエピソードでは、G.I.ジョーたちが基地の娯楽室のTVで 『スパイダーマン』 のアニメを観ている場面も登場しています。
 また、ヘクターのインタビューを受けたコマンダーは、過去に陸軍士官学校 (ミリタリー・アカデミー) に在籍していたとき、そこで反乱を首謀したという武勇伝を披露しています。

 ヘクターの番組 『20の疑問』 はG.I.ジョーの“ダスティー”・ルーダットがチームを裏切った事件を取り上げる。彼が関与すると思われるメキシコ湾の油田掘削所の爆発で、コンラッド・“デューク”・ハウザーは意識不明となる重症を負ってしまった。ヘクターはダスティーがその母グラディスのための高額な治療費を必要としていたことも報じる(「裏切り者 パート2」)。
※最高機密であるはずのG.I.ジョー・チームのメンバーの本名が、このエピソードではTV番組の中であっさり報道されていました。
 駆逐艦U.S.S.モンタナの退役式典では現場からリポート(「モンタナを撃沈せよ」)。
 ヘクターの番組 『20の疑問』 は実験用のステルス機 AR-90A ゴーストが撃墜された事件を取り上げる。番組はゲストとしてG.I.ジョー・チームのホークとレディー・ジェイをスタジオに招き、また衛星中継でコブラ・コマンダー、サーペンター、Dr. マインドベンダーたちにも登場してもらい、事件がコブラの仕業であるかどうかを検証する。ヘクターは過去に起きた様々な事件を例にあげてコブラに迫るが、コブラ側は実験機の撃墜はG.I.ジョー側に責任があると言い逃れ、真相はわからなかった。結局、2号機の実験の際に密かにヘクターたちの撮影クルーが同行し、襲撃してきたコブラの姿をカメラに収めることに成功した (「わずかな可能性もなく」)。
 ダイアル・トーンがホテルでぼーっと眺めていたTV ニュースに、声のみ登場。北アフリカにおけるG.I.ジョーの活躍を報じていた (「父祖の因果」)。
設定探訪/ヘクター・ラミレス_d0164702_22243149.jpgアニメ 『トランスフォーマー』
 声はフランク・ウォーカー Frank Welker (またはジョン・スティーヴンソン John Stephenson)。
   第50話 Prime Target (1985年11月14日)
      (日本版の第51話「ターゲットはコンボイ」)
 大物狙いの病的なハンターであるチャムリー卿がソ連の最高機密のジェット戦闘機を盗み出してしまい、それがアメリカの仕業であるとされて両国の間に危機的な緊張が生じ、ニュース番組で報じられた。
※ここでは特に名前は登場しなかったものの、後にパイオニアから発売された 『戦え! 超ロボット生命体トランスフォーマー2010』 DVDボックスセット(2001年発売)に付属したブックレットの中で、このときのニュース・リポーターがヘクター・ラミレスであったことが公式に言及されています。
 また、このエピソードでソ連のジェット機を操縦していた女性パイロット 「オクトーバー・ガード1」 も、G.I.ジョーに登場するオクトーバー・ガードのダイナであったことが前述のブックレットで公式に言及されています。
 ここでヘクター・ラミレスとダイナが登場しているのは、G.I.ジョーとトランスフォーマーのクロスオーバーとしてはコミックよりも早い、最も初期のケースにあたると思われます。

アニメ 『インヒューマノイド』
 ヘクターはサンボウのアニメ”Inhumanoids” (1986年)でも、
   第6話 Cypheroid
   第8話 Cult of Darkness
   第9話 Negative Polarity
   第12話 The Masterson Team
   第11話 Primal Passions
   第13話 Auger... for President?
の計6話に登場 (※もしかしたらもっと多いかもしれません)。声はニール・ロス。
 TVのニュース番組 『20の疑問』 のホストであり、インヒューマノイドの活動を扇情的にリポートする記者。アース・コー(科学者たちで構成される特殊スーツ部隊)のエディー・“オーガー”・オーギュターは彼を嫌っている。
 エピソードのひとつでは、彼は地下カルト教団を取材した際、そのメンバーとヘクターはインヒューマノイドのディーコンポーズによってマインドコントロール・ガスにさらされ、不死者の軍隊に変えられそうになるが、アース・コーによって正常に戻された。
 またヘクターは、地球磁場の転換によって引き起こされた災害についてリポートし、マスターソン上院議員による大統領の記者会見の報道陣の中にも姿を見せている。自由の女神像の修復の取材では、彼はマスターソンのチームに同伴してカメラクルーを連れて行った。しかしその3ヶ月後、ヘクターは視聴率の低迷により番組がオンエアされなかったことを知る。自らカメラを手にしたヘクターは、オーガーが誘拐される状況を生中継でリポートする。
※なお、アース・コーにはアメリカ空軍所属の戦闘機パイロットであるセイバー・ジェットというキャラクターが登場していますが、彼の本名であるブラッド・J・アームブラスターはG.I.ジョー・チームのエースと同じです。
アニメ 『劇場版G.I.ジョー』
 ヘクターは “G.I. Joe the Movie”(1987年)でも脚本とストーリーボード上では登場する予定があったものの、土壇場でそのシーンはカットされてしまった。しかしクレジットにはヘクター・ラミレス役としてニール・ロスの名前が残っている。
設定探訪/ヘクター・ラミレス_d0164702_22252665.jpgアニメ 『ジェム』
 ヘクターはサンボウのアニメ “ Jem” にも登場。声はニール・ロス。
   第30話 One Jem Too Many (1987年9月24日)
 主人公ジェムにそっくりの偽者が街に現れ、出かける先々で悪態をついては人びとのひんしゅくを買う。別件を取材中だったヘクターもこの偽ジェムに遭遇している。
 ジェムの偽者は、本物の評判を落とすために、ライバル・グループであるミスフィッツの追っかけのコンスタンス・“クラッシュ”・モンゴメリーが変装した姿だった。
※クラッシュは一般人の女性に過ぎませんが、なぜかザルタン並みの変装の達人です。
DiC版アニメ 『G.I.ジョー:ARAH』
 DiC版 『G.I.ジョー:ARAH』 では、ホセ・リヴィエラというリポーターが登場。このキャラクターは脚本段階ではヘクター・ラミレスであったと思われる (ホセ・リヴィエラの項を参照)。
設定探訪/ヘクター・ラミレス_d0164702_4181442.jpgDDP版コミック
 WNNネットワークの記者で、TVニュース番組 『20の疑問』 のホスト。多くの政治的・軍事的問題を取材した。
   『G.I.ジョー:フロント・ライン』 第12号 (2003年8月)
   『G.I.ジョー:ARAH』vol.2 第25(?)、26(?)、28、29、34、40、42号
に登場。
 ヘクター・ラミレスは、彼の番組 『20の疑問』 の中で、かつてヴァンス・ウイングフィールドが組織した民兵組織「ファースト・ストライク」と、彼を射殺したその妻シャーリーが現在は証人保護プログラムの対象となっていることをリポートした (『G.I.ジョー:フロント・ライン』 第12号)。
 シエラ・ゴルドがハイテクを用いる謎の勢力の攻撃を受けたとき、ヘクターがホストを務めるWNNニュースのニュース番組「20の疑問」に出演していたホークは、質問のうちの1つである、シエラ・ゴルドにおけるG.I.ジョーの立場についてを曖昧に答えていた。ホークとレディー・ジェイが建物を去るとき、TV画面にコブラ・コマンダーの姿が映し出され、彼は自分が再びコブラのリーダーとなったことを主張し、「Dr. マインドベンダーは捕らえられ、サーペンターは死んだ、そして今度はお前の番だ」と告げるや、直後にWNNビルは爆発した (『G.I.ジョー:ARAH』vol.2 第28号)。
 WNNビルの爆発事故では多数が生き延び、ヘクターも軽傷で済んでいた。彼はこの事件についてホワイトハウスのプレスルームで記者会見を開き、当初ガス漏れによるものと報道されたこの事故が、実はコブラによって仕掛けられた爆弾によるものであったことを明らかにした。フリントとレディー・ジェイは、スペシャル・カウンター・テロリスト・グループ・デルタ(G.I.ジョー)がコブラ・コマンダーを捕らえたことを公表する (『G.I.ジョー:ARAH』vol.2 第34号)。
 ヘクターは、ホークからある重要な情報を託され、ニューヨーク・シティーでジョー・コルトン将軍と会った。ヘクターはこの情報を自分の報道機関にも知らせることなく、「RSバックアップ」とラベルが付けられたディスクをコルトンに渡した。この様子を監視していた2人の人物により、ヘクターは乗り込んだタクシーごと爆破されて死亡してしまった (『G.I.ジョー:ARAH』vol.2 第40号)。
 レディー・ジェイ、フリント、フィリップ・レイ将軍は、コルトンがヘクターに託していた手紙を読む (『G.I.ジョー:ARAH』vol.2 第42号)。
IDW 『トランスフォーマー・アニメイテッド:オールスパーク・アルマナック』
 2009年に刊行されたキャラクター解説のムックの中で、アニメ 『トランスフォーマー・アニメイテッド』 に登場したデトロイトのニュース44の記者レスター・ブラックがヘクター・ラミレスの又甥 (甥か姪の息子) であることが記載されている (レスター・ブラックの項を参照)。



設定探訪/ヘクター・ラミレス_d0164702_22264753.jpgトム  Tom
 TVニュース・マガジン 『20の疑問』 の撮影クルーのカメラマン。
サンボウ版アニメ『G.I.ジョー:ARAH』
声はフランク・ウォーカー Frank Welker。
   第23話 「20の疑問」 Twenty Questions(1985年10月2日)
      (日本版の第25話「ロッキー山脈の戦い」)








設定探訪/ヘクター・ラミレス_d0164702_22272271.jpgアーノルド  Arnold
 TVニュース・マガジン 『20の疑問』 のプロデューサー(の一人)。
サンボウ版アニメ『G.I.ジョー:ARAH』
 声はマイケル・ベル Michael Bell。
   第23話 「20の疑問」 Twenty Questions(1985年10月2日)
      (日本版の第25話「ロッキー山脈の戦い」)
G.I.ジョー・チームの存在を疑問視し、ヘクター・ラミレスを焚きつけて批判的な報道をさせようとしていたが、実はバロネスの変装であった。
※本物のアーノルドという人物がいたのか、それとも存在そのものがバロネスによるでっち上げだったのかはよくわかりません。



設定探訪/ヘクター・ラミレス_d0164702_1626311.jpgホセ・リビエラ  José Riviera
 KBC のTV リポーター。
DiC版アニメ 『G.I.ジョー:ARAH』
   第14話 Injustice and the Cobra Way (1990年10月11日)
   第41話 Cobra World (1991年11月14日)
の計2話に登場。
 コブラに苦戦するG.I.ジョーを尻目に、颯爽と現れてコブラを倒す謎のスーパーヒーロー、サーペント・マンが出現。TVリポーターのリヴィエラがこの話題をスクープし、サーペント・マンがコブラからメイソン大統領を救出するという出来事もリポートする。しかし、実はサーペント・マンの正体はコブラ・コマンダーであり、救出されたメイソン大統領もザラーナが変装した姿であった (Injustice and the Cobra Way )。
設定探訪/ヘクター・ラミレス_d0164702_16262630.jpg※このニュースがワシントン・デイリー紙の見出しに掲載されたとき、紙面の署名はホセ・リヴィエラではなくヘクター・ラミレス (スペルは Ramires のようです) となっていたので、このキャラクターは脚本段階ではヘクター・ラミレスであったと思われます。
 KBC のリポーターのホセ・リヴィエラはテーマパーク 「マジック・ワールド」 のオープン・セレモニーを取材していたが、その最中にコブラが出現。コブラ・コマンダーはマジック・ワールドを経営者のネッド・スパッターから正式に買い取っており、マジック・ワールドは 「コブラ・ワールド」 となる (Cobra World)。




設定探訪/ヘクター・ラミレス_d0164702_23393632.jpgレスター・ブラック  Lester Black
 デトロイトのニュース44のリポーター。デトロイトで最も勇敢な取材記者であり、伝説的ジャーナリスト、ヘクター・ラミレスの又甥 (甥か姪の息子) にあたる (アニメイテッドの舞台は22世紀)。
アニメ 『トランスフォーマー・アニメイテッド』
 声はバンパー・ロビンソン Bumper Robinson。
   第1話~第3話 Transform and Roll Out
      (「新章!トランスフォーマー」、「英雄、その名はオートボット」、「オールスパークの秘密」)
   第6話 Blast from the Past (第8話 「ダイノボット誕生!」)
   第7話 The Thrill of the Hunt (第5話「ぬぐえない記憶」)
   第8話 Nanosec (第9話「罠の時間」)
   第10話 Sound and Fury (第4話「音波大作戦」)
   第11話 Lost and Found (第11話「湖底の激戦」)
   第20話 Garbage In, Garbage Out (第19話「レックガーの暴走」)
   第24話 SUV: Society of Ultimate Villainy (第22話「スィンドルの策略」)
   第27話 Sari, No One's Home (第24.5話「サリの留守番」)
に登場。毎回のエピソードで起きる事件をリポートしている。
※作品中では単に 「ニュース・アンカー」 としてクレジットされているのみで、彼がアニメイテッドにおけるヘクター・ラミレスであると推測するファンもあったようですが、後にレスター・ブラックという氏名の設定が判明しました。なお、作中に登場する悪役メルトダウンの本名プロメテウス・ブラックとは姓が同じですが、特に関連付けられるような設定はないようです。
IDW 『トランスフォーマー・アニメイテッド:オールスパーク・アルマナック』
 2009年に刊行されたキャラクター解説のムックの中で、レスター・ブラックがサンボウの多数のアニメに登場したTVニュース・リポーターのヘクター・ラミレスの又甥 (甥か姪の息子) であることが記載されている。

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 以上、ヘクター・ラミレスでした。
 どうでもいいっちゃどうでもいいのですが、クロスオーバーの話題に浮上する数少ないキャラクターのうちの一人なので、ざっとまとめてみました。

 さて、次回もこの手の記事になる予定。またクロスオーバーネタです。それでは!
by joefig | 2012-02-08 14:00 | 設定探訪

by joefig